テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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不安になる要素がいっぱい!『アングスト/不安』感想と見どころ

アングスト/不安

原題:ANGST

1983年 オーストリア

監督:ジェラルド・ガーグル

上映時間:87分

鑑賞日:2020/8/27

劇場:シネマ ジャック&ベティ

 

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 こんにちは!支配人のみどりです。

それにしてもいいタイトルですよねぇ~。そのうえこのインパクト大のチラシ!

見れば見るほど不安になっていきませんか?

そのインパクトに魅了されたみどりは、おもむろにチラシを手に取り観るリストに追加。

解説を読むと、既に1983年に完成されていて、あまりの内容により世界中で公開を断念された様子。そして時代が追いつき満を持して公開に踏み切ったとあります。

因みに幼いみどりを暫くトラウマの渦に叩き落とした傑作『食人族』が1980年

未だに越える作品が見当たらない名作『エクソシスト』が1973年

これらの衝撃の上をいくのか一抹の不安を感じながら観てきました。

 

 

あらすじ

一人の男(アーヴィン・レダー)が刑務所から出所後、一件の民家を訪れる。

彼は何かの衝動に駆られている様子だ。

尋ねてきた男に老いた婦人が応対する。

そして、男は何のためらいも無く彼女を殺害した…。

 

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本作のパンフレット。マグショット風のデザインがイカします。

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江戸木純さんのコラム、非常に興味深かったです。


 

主要キャスト

K:アーヴィン・レダー

殺人の衝動を抑えられない狂人。就職活動のため3日間の仮出所の間に新たな事件を起こす。

 

 

見どころ

陰鬱な空気と不安なカメラワーク

この陰鬱な空気感はこの時代の作品ならではの特殊な表現で、みどりは大好きなんです。

今の撮影技術が整った鮮明な映像ではまずマネできない技巧。

例えるなら古いジャズの音源はCDよりもレコードの方がいいみたいなね。

ゾンビ映画の亜流作品では頭一つ抜けている『サンゲリア』もこの質感でとてもいい味が出ていました。

そしてやはりカメラワークが斬新なんですよ。このドローンもCGも無い時代によくぞこの映像を撮ったなと思わず唸ります。よくバラエティー番組で見かける演者に自撮り棒を固定して顔面を定点で撮影する手法なんですが、この画が殺人者の心情を克明に表現されているのです。

 

 

まとめと総評

今年の初めに『アントラム』という作品を観て(みどりの感想はコチラ)設定自体がプロモーションの一環だと知った時に、酷くガッカリさせられましてねぇ。ひょっとしたら本作も詐欺まがいのプロモーションで冒頭の説明も実は作り話なのではないかと勘繰ったわけですが、こちらは本当に1983年に完成されていたとの事。

 

当然日本未公開作品ではあったのですが、実は1988年にひっそりと徳間コミュニケーションズからVHSのソフト化がなされていました。タイトルは『FEAR/引き裂かれた夜』

セールス的にもほとんど売れなかったらしいです。

 

本作のパンフレットにジャケ写が掲載されていたのですが、価格が14800円というのが時代を感じました。この当時のビデオは高額でしたよねぇ。

物語自体はヴェルナー・クニーセクという殺人鬼の実話。

しかしですねぇ。前述した斬新なカメラワーク以外にはそこまで大騒ぎする内容ではなかったというのが正直な感想ではあります。

「時代が追いついた」と言われても、現に88年にはソフト化までされた作品でして、劇場未公開というのも別の意味で納得できるんですよ。

実在したいかれた殺人鬼の作品なんて山のように作られているわけですし、特に今年は『屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ』(みどりの感想はコチラ)という傑作も公開されている事ですしね…。

そんな訳で評価は、、、

 

☆☆

 

限りなく☆×1に近いですが、あのカメラワークの評価点が押し上げています。

不安が的中しました(笑)

 

 

最高の傑作!

これぞ現代のサイコキラーものですね ↓

 
本作のアーヴィン・レダー出演作では一番メジャーな作品。
ディレクターズカット版は未見です ↓
 
おお…、いつの間にかキッチリソフト化されてましたね。
観たら死ぬそうですから気を付けて下さい ↓
 
 
 

 

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