テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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キム・ユンソクの静かな演技が光る!『暗数殺人』感想と見どころ

暗数殺人

英題:DARK FIGURE OF CRIME

2018年 韓国

監督:キム・テギュン

上映時間:110分

鑑賞日:2020/8/4

劇場:シネマ ジャック&ベティ

 

 

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 今年の韓国映画とA24製作作品には外れなし

 

こんにちは!支配人のみどりです。

こんなスローガンを勝手に掲げて鑑賞する作品選びをしているわけなんですが、実際当ブログで☆2つ評価を下した該当作品は無くてですね、今回も「韓国興行収入第1位!!」の謳い文句を純粋に真に受けて鑑賞してきました『暗数殺人』。

 

とかく韓国映画は実話ベースの傑作が多いのが現状でして、本作も実話が元になっております。

しかし、パンフレットによりますと今回の作品は当初、現行よりも忠実に実際に起きた事件を題材にしたかったらしいですがどうやら遺族の方から抗議があったらしく、リアルな再現を断念されたそうなんです。

まずはあらすじから、

 

 

あらすじ

「7人だ。俺が殺したのは全部で7人」

キム・ヒョンミン刑事は、恋人を殺害し逮捕されたカン・テオから突然の告白を受ける。

しかし、テオの証言のほかに一切証拠はない。そもそも彼は何故自らそのような告白を始めたのか?警察内部でもテオの自白をまともに相手をする者がいない中、ヒョンミンは直感的にテオの言葉が真実であると確信。上層部の反対を押し切り捜査を進めていく。

 

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本作のパンフ。キム・ユンソクの表紙が渋い!

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裏は漆黒を纏ったチュ・ジフン。カッコイイですなぁ


 

主要キャスト

キム・ヒョンミン:キム・ユンソク

カン・テオの証言をもとに事件の真相を実直に追い求めるベテラン刑事。決して常識を逸脱する行為は無いものの、証言を引き出す為にカンのわがままな要求をのむ一面もある。

 

カン・テオ:チュ・ジフン

突然7人殺したと証言。頭脳明晰で大胆不敵。キム刑事をはじめ警察組織全体をかく乱させる。

 

 

見どころ

二大俳優の演技に全編が一色に染まる

この作品に“色”を付けるのであればそれは冷たい氷色

犯人カン・テオ役のチュ・ジフンの演技はとにかく腹が立つ(いい演技をしている意味で!)。法の隙間を付いて無茶な要求をし、組織全体を混乱の渦に陥れてほくそ笑む。頭がキレる裏側はサイコパスな殺人犯。そこに人の温もりは一切感じません。

 

一方キム刑事役のキム・ユンソクの演技ですが、寡黙にひたむきな捜査を続ける姿はとても寒いんです(これもいい演技という意味で!)。その行為には出世や報酬といった、働く者の誰もが欲求として持ち合わせるであろう価値は一切なく、ただ真実を追い求める。

みどりが一番良かったシーン、というか台詞は、

『13年、私が警察でいられる時間はあと13年しか無いんです。ヤツ(犯人)は今のままだと15年で出所します。』

カンが証言通り7人殺していれば、死刑判決は必至。しかしそれを実証できなければ15年の刑期で出所されてしまう。その間、自分の刑事人生に残された13年の間にケリをつけられるかを心配するあのシーンが一番刺さりましたね。

キム・ユンソクはそこまで表情豊かではないのですが、凄く味のある演技をされていましたよ!

 

まとめと総評

クライマックスの出来具合にすこ~しだけモヤりがありましたが、これは冒頭のごたごたが原因かどうかは解りません。

終始冷たい空気が漂う暗めの作品ですが、サスペンスファンには大いにお勧めです。

あ、『エクストリーム・ジョブ』で一気にみどりがファンになってしまったチン・ソンギュもキム刑事を支える助手として出演されています。当然今回は笑い無しのシリアスな彼の演技も見どころの一つ。(みどりの感想はコチラ

という訳で本作の評価は、、、

 

☆☆☆

 

最後にタイトルの「暗数」の説明です。

実際の数量と統計上あつかわれる数量との差。主に犯罪統計において、警察などの公的機関が認知している犯罪の件数と実社会で起きている件数の差を指す。

『デジタル大辞林』小学館より。

 

 

 

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