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映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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アノ大作の影に隠れてしまった傑作『エクストリーム・ジョブ』感想と見どころ

エクストリーム・ジョブ:(英題)EXTREME JOB

2019年 韓国

監督:イ・ビョンホン

上映時間:111分

鑑賞日:2020/3/14

劇場:シネマジャック&ベティ

 

 

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 鑑賞後にどうしても食べたくなっちゃう物ってありますよね。

みどりは幼少期、香港映画不朽の名曲『Mr.BOO』を鑑賞後、サミュエル・ホイが劇中に人参ばかり食べているのに触発されたんです。

しかしその人参がどうしてもチーズ鱈にしか見えず、その後のおやつを全てチーズ鱈にリクエストした過去があります。

頭は正常ですよ…。あの形状は本当にチーズ鱈に見えるんですって!

 

最近では『グリーン・ブック』が有名ですかね。主人公がいつもパーティーバーレルを小脇に抱えてフライドチキンを食べているので、鑑賞後ケンタに行きたくなるというね。

本作もふんだんにチキンが出てくるのですが、もう出てき過ぎて観ているだけでチキンはお腹いっぱいになりました(笑)。

 

劇中でも「チキンは韓国庶民のソウルフード」と言われていまして、「韓国ではチキン屋になるか餓死するか」という言葉まで囁かれているとの事。コンビニが4万店強あるのに対してチキン屋さんは倍の8万軒あるとか

韓国=焼肉という浅い概念しかないみどりは勿論韓国チキンを食べた事無いのですが、一度食べてみたいと。

そんな本作のあらすじをどうぞ。

 

 

あらすじ

 コ班長(リュ・スンリョン)は悩んでいた。昼夜問わず街をかけずり回るが実績を挙げられない麻薬特捜班に上司の目は厳しい。売人のアジトを突き止めるが、予算が頭をよぎってガラスを突き破るのにもためらう始末。

ある日、後輩からある組織の大物イ・ムベ(シン・ハギュン)の居所の情報を得る。

コイツを捕まえればなんとか面目が保てる。部下4人を連れてアジト向かいのチキン屋で張り込みを行うが、一向に現れない。何日経っただろうか。

そんな時、チキン屋の店主が、

「これサービスです」と一皿チキンを持ってくる。

毎食チキンを注文しているのに、更にチキンとはどういう…。聞いてみると店主は、

「お気づきだと思うが、この数日間でお客はあんたらだけ。もう店閉めるんだよ」

との事。今この張り込みポイントを失っては困る!しかもたまに組織からデリバリーの注文まで入るので、盗聴器も仕掛ける予定だったのに!!

コ班長が出した決断は、退職金を充ててこの店を買い取る算段。

この決断が彼ら解体寸前の麻薬捜査班の運命を大きく揺るがす事になる。

 

 

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一見スケッチブックかと思うパンフレット

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「ジョニーのからあげ」行きたくなります。

主要キャスト

コ班長:リュ・スンリョン

麻薬特捜班班長。勤務はまじめで部下からの信頼も厚いが、実績を中々挙げられず署長からはいつも怒られ、挙句後輩からは先に出世され、家庭では奥さんにも「万年班長」となじられている。

 

チャン刑事:イ・ハニ

ムエタイの達人で腕っぷしは余裕で男性を凌ぐ。偽装チキン店ではフロアマネージャーを担当。

 

マ刑事:チン・ソンギュ

チームのトラブルメーカーでもあるが、ムードメーカーでもある。水原(スウォン)の焼肉店の息子で、その秘伝のタレが偽装チキン店を繁盛するきっかけとなった。

 

ヨンホ:イ・ドンフィ

偽装チキン店の外で張り込みを続け、尾行も担当する孤独なチェイサー。アジトの外で暗躍する犯人達を追い続ける。

 

ジェフン:コンミョン(5urprise)

チームでは一番の末っ子。偽装チキン店では調理補助を担当。犯人逮捕に一番情熱を燃やす熱い男。

 

イ・ムベ:シン・ハギュン

冷酷な組織の親玉。大韓民国の皆がコンビニエンスストアで買い物をするように、簡単に麻薬を入手できる日を夢見ている。

 

 

 

見どころ

上質な笑いを堪能あれ

みどりは『笑い』には二種類あると思っていまして、一つはヴィジュアルで攻める笑い。つまり姿カタチやコミカルな動きとかね。

もう一つは語りで攻めてくる笑い。落語などはその最たる例ですね。本作は後者に分類されます。もうこれが本当に爆笑できるのです。コ班長の電話に出る時のキャッチフレーズ「これはカルビか…」是非本編で堪能して欲しいので割愛します!

韓国と日本の笑いのボーダレスを感じました。

 

人物描写が丁寧

コメディの分野って登場人物のキャラが自ずと際立っているので、どうしても人物描写が荒くなりがちだと思うんですよね。しかし本作はそこら辺をすごく丁寧に描いています。

コ班長が疲れて帰宅するシーン。奥さんに苦言を言われていてもしっかり家庭を大事にする姿勢ゆえに、部下からの信頼も厚い人なんだなと容易に理解できます。それとエンディングで語られる驚愕の事実。それはなぜこのメンバーが麻薬特捜班に選ばれたのか。このシーンにも注目です。

 

意外とアクションは本気(マジ)

語りで笑いを取るスタイルなので、決してスラップスティックな作風では無いのですが、アクションの描写はジャッキー映画さながらの本気度です。特にオープニングの犯人逃亡のシーンは圧巻。犯人役の俳優さんがそこそこの高さからバックパック一つをクッションに落下するシーンは思わず唸ってしまいましたよ。

 

 

まとめと総評

久しぶりに劇場で涙が出るほど爆笑しましたよ。

偽装工作の為に開店させたチキン屋さんが、予想に反して大繁盛してしまう

設定だけで面白さが伝わってきませんか?

 

今回イ・ビョンホン監督の作品を初めて鑑賞しましたが、他の作品も是非チェックしたくなりました。あ、あの俳優のイ・ビョンホンとは全くの別人なので。みどりも初めはあの人監督もやるんだと思ってしまいましたが、ここで記述させて頂きまッス。

 

チャン刑事を演じたイ・ハニさんは作中のリアリティを出すために、ほぼノーメイクで挑んだとか。ナチュラルビューティーですよねぇ。『パラサイト~半地下の家族~』のギジョン役のパク・ソダムちゃんといい、自然な一重女子がみどりの中で静かなブーム。そう『自然』な美しさがいいですよ。やっぱり。

 

そんな『パラサイト』の感想はコチラ

 

『パラサイト』と公開時期が丸被りだった為に、日本では影が薄くなってしまった感が否めないですが、昨今世界が不安のどん底に陥っていて暗くなりがち。そんな時には笑うのが一番なので本作をおすすめします。

評価は、

 

☆☆☆

 

笑いで免疫もアップさせましょう!

 

 

鑑賞後、本作と近いイメージかなと思った作品はコチラ

個人的には「3」くらいまでは許せます ↓

 

イ・ビョンホン監督で評判の高かった過去作。

観るリストに追加します  ↓

 

 

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