テアトルみどり座

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こんな戦争映画を待っていた!『T-34 レジェンド・オブ・ウォー 最強ディレクターズカット版』感想と見どころ

T-34 レジェンド・オブ・ウォー 最強ディレクターズカット版

原題:T-34

2018年 ロシア

監督:アレクセイ・シドロフ

上映時間:191分

鑑賞日:2020/8/1

劇場:小田原コロナワールド

 

 

 こんにちは支配人のみどりです!

今回ご紹介する作品は『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』それも一番の長尺の「最強ディレクターズカット版」

 

昨年の2019年に日本で初公開されたのは10月。

その時は地元の劇場の公開予定も無く、また記憶に新しいブラピの『フューリー』の印象があまり良くなくてスルーしてしまいました。

しかし、この作品、異様に評価が高く、明けた2020年2月に完全版となる「ダイナミック完全版」が公開。周りの鑑賞した友人たちの評価もすこぶる良く、みどりの興味も都合よく最高潮に達しました!

 

そして7月末から、本国ロシアでテレビ放映されたこの「最強ディレクターズカット版」が公開されるニュースを知り、満を持して鑑賞してきましたよ。

 

久しぶりの3時間オーバーで休憩無しとの事で、なるべく水分を摂らないように体調をコントロールして挑みましたが、3時間なんてあっという間でした(笑)

ではあらすじから、

 

 

あらすじ

1941年、第二次世界大戦下。雪原でナチス・ドイツ軍の戦車に襲われていつ二人のソ連兵がいた。彼らが乗るのは食料運搬車にも関わらず、敵戦車の砲撃をかわし、命からがら逃げることに成功する。

運転していたのはニコライ・イヴシュキン。彼らは無事基地に戻るも、ドイツにより防衛線が破られ戦況は芳しくなかった。

基地の将校に、イヴシュキンが装備も持たずにナチスの戦車から逃げ切ったことを説明すると、基地に残った最後の戦車T-34と小隊の車長を任される。初めての前線での任務は歩兵部隊の助けを借り、ナチスの戦車隊を奇襲する作戦だった。

ナチス・ドイツの大佐イェーガーはⅢ号戦車の中隊を率いて雪原を進軍していた。

物音ひとつしない状況を訝るイェーガーは様子をうかがった。すると、ソ連軍が対戦車砲を構える動きを目視し、イェーガーは総攻撃を始める。

果たして絶対兵力不足のイヴシュキンはこの状況をどう乗り切るのか?

そしてこの瞬間からイヴシュキンとイェーガーの奇妙な因果が口火を切った…。

 

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本作のパンフ。数ある識者のコラムの中で一番良かったのは、上坂すみれさんのが一番良かったです。

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この日の劇場で販売されていたのは『ダイナミック完全版』のもの。恐らく上映データ意外は内容同じかと。


 

主要キャスト

ニコライ・イヴシュキン:アレクサンドル・ペドロフ

戦車の構造及び特徴を完全に把握している有能な車長。

食料運搬車で戦車の攻撃から逃げ切った際は助手席に乗っている味方に「敵戦車の砲台の動きが止まってから4秒数えろ」と指示。

照準合わせと弾の装填のタイムラグを利用し見事に迫撃から逃げ切った。

 

イェーガー大佐:ヴィンチェンツ・キーファー

ドイツ軍戦車部隊のエース。国家に忠誠を誓う国民的英雄。

ニコライを良きライバルと認めている。

 

アーニャ・ヤルツェヴァ:イリーナストラシェンバウム

ナチス・ドイツの捕虜で通訳の女性。ニコライと恋に落ちる。

 

 

見どころ

“こういう戦争映画”を待っていた!

近年の戦争映画といえば、ノンフィクションを元にしてリアルを追求するあまり悲壮感がほとばしる内容。決まって鑑賞後は、込められた反戦メッセージをもれなく植え付けられ、しばらく自問自答を繰り返してしまうのですが、本作はそんな事は無く、映画的なエンターテインメント満載!

これが実に新鮮なんです。詳細は次項目から!

 

リアルを追求した戦車戦

本作で使用されている戦車は全て本物の戦車を使用しています。なんと車内も全てセットなどではなく、動いているシーンも全て演者が操縦しているとの事。

そこから醸し出されている臨場感はハンパなものでは無く、当時の戦車の居住観や砲台のトリガーの場所まで忠実に再現。もう“再現”というよりかはそれが本物なのでこの言葉は適切ではないですが。

我々素人の戦車のイメージといえば、歩兵が持っている銃器をいくら当ててもビクともしない重厚な装甲で固められている頑丈なイメージじゃないですか。

しかし戦車自体は被弾しても急所(後部の装甲が薄めの箇所)を外れていればダメージは軽めでも、その時は車内に響き渡る轟音で乗組員の三半規管へのダメージは尋常ではなく、気絶すらしかねないと。

こういう今までの戦争映画では描かれなかった表現が随所に配置されて、観客を常に唸らせてくれます。

 

ニコライとイェーガーの関係

監督曰く、この二人は国家やイデオロギーが無い場所では必ず良き友人関係を結べたはずとの事。

そう、『ランボー』で執拗に追いかける保安官、『コマンドー』のアリアス、かつての作品群で執念の炎を燃やしてきた主人公への一つの“愛”とも言える関係が本作ではイェーガーから見る事ができます。

最初の日本公開版では観る事ができなかったニコライとイェーガーの乾杯シーン。これが何故カットされてしまったのか理解できないくらい重要なシーンとなっていますので、是非とも「ダイナミック完全版」以降のバージョンを観て頂きたいです!

 

 

まとめと総評

エンターテイメントとしての戦争映画。こういう作品がもう少しあってもいいのではないかと思わせてくれた1本。

それでも劇中、捕虜収容所のシーンとか戦争を題材にした漆黒の闇もしっかり描かれてはいるんですが、けれんみが勝って悲壮感をほとんど感じないんですよね。

ニコライとアーニャのロマンスも外せないシークエンスですが、正直に言うとこの箇所がみどりの評価の足をひっぱってしまった一環。

もう少し派手に描いてほしかったと(笑)

 

みどりは初見だったので、追加されたシーンがどこなのか知る事はできませんが、全てのバージョンを観た方は皆さん口を揃えて今回の『最強ディレクターズカット版』を推しておりました。

イェーガーのニコライへの想い。それは良きライバルであり、環境が違ったら絶対にお互いを切磋琢磨しあったであろう最高の関係を築けた”理由”が今回のバージョンでは詳細に語られているからです。

 

という訳で評価は、、、

 

☆☆☆☆

 

素晴らしい極上のエンターテインメント作品でした!

 

 
 
あまり響かなかったけど、数発に1発撃たれる閃光弾の意味を知れたのは本作のお陰 ↓

 

 

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