テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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こんな傑作がなぜこんな小規模公開!?『薬の神じゃない』感想と見どころ

薬の神じゃない!

原題:我不是藥神

2018年 中国

監督:文牧野

上映時間:116分

鑑賞日:2020/10/17

劇場:シネプレックス平塚

 

 

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 公開館数と作品の面白さって比例しないですよねぇ。

こんにちは!支配人のみどりです。

皆さんは普段、鑑賞する映画ってどうやって決定していますか?

一番多いのはその日鑑賞した映画の予告編とかですかね。テレビのCMも昔に比べたら減りました。

みどりが良く使っているのは『映画ランド』というアプリ。こちらよく行くkino cinema横浜みなとみらいの本会員の経由アプリでして決して宣伝ではありません(笑)

ここからは漏れなく公開予定作品の情報が見れましてとても重宝しています。

因みにアプリ内の作品レビューもみどりのハンドルネームで寸評していますので、見かけたらよろしくお願いいたします。

 

そんな『映画ランド』でひっそりと紹介されていた今回の『薬の神じゃない!』ですが、本当に本作に出会えて良かったと思った傑作でございました!

 

こんな傑作が地元神奈川ではなんと公開劇場が1館のみで、パンフレットすら作成されていないというね。つくづく予想興行収入に基づく日本の作品選定のレベルの低さを考えさせられましたよ。

要するに本当に面白い作品をより多くの劇場で公開すべきなんです!

ではあらすじからどうぞ!

 

 

あらすじ

上海で男性向けの滋養強壮剤を売る小さなお店を経営しているチョン・ヨンは、店の家賃さえ払えず、妻にも見放され、人生の目標を見失っていた。ある日、血液の癌である慢性骨髄性白血病患者のリュ・ショウイーが店に訪れる。国内で認可されている治療薬は非常に高価であるため、安価で成分が同じインドのジェネリック薬を仕入れてしてほしいという依頼であった。最初は申し出を断ったものの、後がないチョンはジェネリック薬の密売に手を染めていく。

段々販路も増えていくチョンの密売行為に政府のメスがはいることになる…。

 

 

主要キャスト

チョン・ヨン:シュー・ジェン

回春藥を売る店の主人。政府非公認のジェネリック薬を密輸して上海で売りさばく。

 

リュ・ショウイー:ワン・チェンジュン

慢性骨髄性白血病患者。本国では正規薬が高価なため、チョンに非公認ジェネリック薬の販売を依頼する。

 

ツァオ・ビン:ジョウ・イーウェイ

チョンの密売行為を執拗に追う刑事。チョンの義理の弟。

 

リウ・スーフェイ:ダン・ジュオ

白血病の娘を持つシングルマザー。表の顔はポールダンサーだが白血病患者のネットワークを持っており、チョンの計画の販路を拡大する。

 

 

見どころ

不可解な薬事法を考えてみる

本作は実際に上海でおこった事件を元に制作されています。これによって中国の薬事法がひっくり返った歴史的事件らしいんですな。

劇中で登場する薬が正規品でいったいいくらだったかというと、人民元が15.7円で計算すると日本円にして62万8千円!

あれが一体どれくらいもつものなのかは描かれていませんでしたが、劇中である人が言うセリフ、

「世界で唯一の病は何か知っているか?それは”貧乏”だ。これには特効薬はない」

ずばり正論ですよねぇ。

成分はほとんど同じなのにヘンな法律で海外の安価な薬はダメっていう不条理。

日本でもよくある事なので決して他人事ではないです。

 

ここで泣かせるか!

当初みどりは中国版『ダラス・バイヤーズ・クラブ』くらいの軽い気持ちで観ようと思いました。しかしそれも中盤以降であっさり覆され、『ダラス~』では泣かなかったみどりがエンディングまで大号泣。

ここまではよくある話なんですが、こう泣ける作品って本編できっちり泣いてスタッフロールでなんとか顔を元に戻して劇場を後にできる。

しかし本作はスタッフロールでも泣かせるため、顔を戻すのに苦労しましたよ(笑)

ノンフィクション系の作品でよくある例の実際の写真と、物語のその後若しくは現状。

少しだけネタバレしますが、管を繋がれた入院患者の方と思われる腕、手は親指を立てたサムズアップの画像が出てくるのですがその下には、

中国の白血病の生存率が20%から80%に向上

と出るんです。良かったな~(涙)

彼らは確かに法を犯したのですが、やった事は決して間違いでは無かったというこれ以上ない説得力のある光景に涙が止まりませんでした。

 

 

まとめと総評

いやあ本当に勿体ない!

繰り返しになりますが、こんな傑作が神奈川で1館ってね!

奇しくも日本の興行収入のレコードをたたき出したモンスター作品『鬼滅の刃』と同じ公開日の本作。日本中の上映スケジュールはバスの時刻表のようになっている状況がSNSでも騒がれていました。

確かに鬼滅もいいですがその10分の1のお客さんでいいので本作を鑑賞してもらえば上映館も増えただろうにと思ってしまいました。

では本作の評価ですが、、、

 

☆☆☆☆☆

 

はい!文句無しの満点です!

アプリ『映画ランド』をチェックしていて本当に良かったです。

 

 

 
 
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