テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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碁盤に命を賭けて…『鬼手』感想と見どころ

鬼手

英題:THE DIVINE MOVE 2:THE WRATHFUL

2019年 韓国

監督:リ・ゴン

上映時間:106分

鑑賞日:2020/8/9

劇場:小田原コロナワールド

 

 

 “鬼手”とは相手の意表を突いて、肺腑をえぐる鋭い一手を意味する。

 

小学生の頃、囲碁将棋クラブに入っていました。こんにちは!支配人のみどりです。

という訳で、一応囲碁のルールは知っているのですが、まあ“趣味”としていらっしゃる方といざ対局となると、それはおこがましいにもほどがあるレベルであります(笑)

 

今回ご紹介する作品は囲碁の裏の世界、そして囲碁で復讐を誓った男の物語『鬼手』。

こちら2014年に公開された同じく韓国発の『神の一手』のスピンオフ作品となっております。

前作同様、囲碁のルールは全く知らないという方でも十分に楽しめるエンタメ作品ですのでご心配は無用。

ではあらすじから、

 

 

あらすじ

1988年.父が自殺し、母にも捨てられた貧しい少年グィスは姉スヨンと共に、囲碁のプロ棋士ファン・ドギョンの豪邸で下働きをしていた。そんなある日、非道なドギョンの悪行によって、唯一の肉親であるスヨンまでも自らの命を絶ってしまう。悲嘆にくれるグィスは、ひとりソウル行きの最終列車に飛び乗った。

頼るあてもないグィスが足を向けたのはある碁会所。生前の父から囲碁を教わったグィスは、わずか100ウォンの元手で見知らぬ大人たちに賭け碁を挑み、勝利を重ねていく。その並外れた才能を見抜いた一匹狼の棋士ホ・イルド(キム・ソンギョン)は、グィスに「人生は二つに一つ、遊び場になるか、生き地獄になるかだ」と語りかけ、彼を山寺に連れていく。そこで想像を絶する囲碁の修行に明け暮れていく日々を経て数年。グィス(クォン・サンウ)は心身共にたくましい孤高の棋士へと成長を遂げた。胸には“復讐”の二文字を抱いて…。

 

 

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本作のパンフ。囲碁の世界に少し闇がかったデザインが迫力あります。

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山田拓自八段の解説が凄くタメになりました。

 

主要キャスト

グィス:クォン・サンウ

姉を死に追いやられた復讐のため、自らを地獄に突き落とし賭け碁の世界に飛び込む。

全国の囲碁の名人たちと命がけの対局を繰り広げる。

 

トン:キム・ヒウォン

囲碁のレベルは素人ながら、卓越した話術と情報力で賭け碁界で生きるマッチメーカー。

復讐相手を探すグィスと共に全国を巡る。

 

ホ・イルド:キム・ソンギョン

幼いグィスの才能を見出し、熾烈な賭け碁の世界と冷酷な世の中を身をもって彼に伝える。

自身もかつて長城の占い師との対局に敗れ片腕を失くしている。

 

ウェトリ:ウ・ドファン

幼い頃、賭け碁によって父を失った過去を持つ。勝敗よりも人の命を奪うことに執着し、対戦相手を死に追い込む。

 

 

見どころ

漫画的な世界観だと侮るなかれ!

日本にも「月下の棋士」「ハチワンダイバー」「ヒカルの碁」と囲碁将棋の世界を深掘りした作品は多数あります。

最初みどりも「ハチワンダイバー」みたいな世界観かなとも思ったのですが、そこはノワール作品に定評がある韓国作品。一筋縄ではいかない世界観が待っていました。

対戦相手は決して観客を飽きさせない一癖も二癖もある者ばかり。そして対局方法も電車が通っている線路上での早指し勝負に、負けると硫酸が噴射される死の碁盤だったりと庶民の娯楽であるボードゲームとは一線を画すしかけが満載

 

その中でも白眉のシークエンスが、黒白の普通の碁石を使うのではなく「白」と「やや透きとおった白」の碁石で勝負をするシーン。(パンフレットの画像にあるやつです。)

解りづらいというね(笑)

こういう演出が凄くいいです!勝負が決した後、劇中で観戦していたトンが、

「どっちが勝ったんだよ…」

と呟いた事と観客が同じ気持ちになるのは必至です。

 

 

ルールを知っていれば楽しさは倍増

冒頭では囲碁のルールを知らなくても十分楽しめると書きましたが、きっちり囲碁を知っているファンをも唸らせる仕上がりとなっています。

指し手の監修には30人のプロ棋士が携わっておりまして、特にクライマックスの最終局面は、本作のパンフレットに寄稿されていました山田拓自八段が解説を入れるほど。

みどりは凄さが解らなかったですがね(笑)

 

 

 

まとめと総評

クォン・サンウは「天国の階段」での優男のイメージが強かったみどりですが、本作のような泥臭い役の方が好み。何気にトンデモ系韓国作品の古典『火山高』にも出演していたのですが、そこまで印象がありませんでしたねぇ。

実は本作のようなアクション系が得意というのはパンフレットを読んで知りました。

勉強不足を反省!

 

見どころの項目でも書きましたが、本作のような世界観は日本にも漫画でたくさん描かれていますので、すんなりこの世界観に入り込めると思いますよ。

普段ニュースなどで取り沙汰されている「表」の世界だけではなく、こういった「裏」の世界を本作で体感してはいかがでしょうか。

という訳で本作の評価は、、、

 

☆☆☆

 

クォン・サンウの3ヶ月かけて仕上げた肉体美にも注目です!

 

 

思えば韓国映画ってこの頃から一貫してブレないですよねぇ ↓

 

『鬼手』の物語はこちらから始まりました ↓

”グィス”という人物はしっかり物語に出ていますよ。

 

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