テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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偉大なる音楽のパワーを!『カセットテープ・ダイアリーズ』感想と見どころ

カセットテープ・ダイアリーズ

原題:BLINDED BY THE LIGHT

2019年 イギリス

監督:グリンダ・チャーダ

上映時間:117分

鑑賞日:2020/8/6

劇場:kino cinema横浜みなとみらい

 

 

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ぶぉ~んいんざUSAぇ~だで!

と、あの頃はみんなで歌っていましたよねぇ。こんにちは!支配人のみどりです。

 

みどり達世代ですと80年代は最も輝いていた時代。とりわけ音楽方面のカルチャーは住み分けがまことしやかに分かれておりまして、それは千差万別でした。

まず邦楽派か洋楽派で分かれますよね。そこからポップスだったりロックだったり、ハードロックだったりヘヴィメタルだったり、はたまたR&Bだったりユーロビートだったりと…。

本作でフューチャーされていますブルース・スプリングスティーンは正統派の骨太ロックのイメージでした。

何せみどりが音楽に目覚める前から活動されておりましたので、存在を知ったのはキャリアに油が乗ってきたタイミング。ちょうどアルバム「Born In The U.S.A」がリリースされた1984年ですかね。

本作はそのブルース・スプリングスティーンによって自分の時計が大きく動き出した若者の実話。

まずはあらすじからどうぞ!

 

 

あらすじ

1987年、イギリスのルートンの小さな町で暮らすパキスタン系のジャベド(ヴィヴェイク・カルラ)は16歳。夏のアルバイトを終え、ウォークマンでペットショップ・ボーイズを聴きながら自転車を走らせる。

幼馴染みのマットは恋人ができ、バンド活動もしていて日々充実した青春を過ごしていた。

そんな彼に対してジャベドは、移民であるための保守的な周囲の住民から偏見や差別、そして何よりもパキスタン家庭の伝統やルールを重んじる家庭から抜け出したくて日々悶々とした気持ちに押しつぶされそうになっていた。

ジャベドはそんな鬱積した想いを詩に綴る。しかしいくら書いても未だ自分自身の言葉を見つけられていない。

憧れのロンドンの距離はまだ遠く感じられていた。

ある日、クラスメイトのループス(アーロン・ファグラ)からブルース・スプリングスティーンのテープを貸してもらう。彼が奏でる音楽にジャベドの中で何かが覚醒した…。

 

 

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本作のパンフ。カセットテープをあしらった可愛いデザイン!

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このテの作品のコラムは、町山智浩さん以外にはいないですな。

 

主要キャスト

ジャベド:ヴィヴェイク・カルラ

パキスタン系移民の家庭に生まれる。家族や友人を大事にする優しい少年だが、古い伝統や風習を重んじる父親を疎ましく思っている。

 

ループス:アーロン・ファグラ

ムスリム系の陽気なクラスメイト。いつもターバンを頭に巻いている。ジャベドにブルース・スプリングスティーンの音楽を紹介した。

 

マット:チャールズ・チャップマン

ジャベドの幼馴染み。バンドを組んでいて、ジャベドに詩を書いてもらっている。彼の父親とは音楽の趣味が合う。

 

 

見どころ

鮮明に蘇る80年代カルチャー

この時代の音楽が我々に与えた影響は凄まじいです。何せ未だにこのみどりも80年代の曲を聴いていますしねぇ。

この世代をご存知の方は、着る服も好みの音楽に合わせた格好をしていたのではないでしょうか。本作のシーンにもあったように、デュランデュランが好きな人はモード系の服を着て、バナナラマが好きな女子はタイトなジーンズに小さ目なTシャツみたいなね(笑)。

そして個人が信じた音楽で対抗(?)する人とのマウントの取り合い。みどりの経験則ですと、一発屋のアイドルを好んで聴いているとそれは馬鹿にされたものでした。

本作でも、

「さすがにティファニーはクソだというのは知っている!」

の台詞には思わずクスっときてしまいました。

国は違えど若者の行動理論は同じなんですねぇ。

 

女子が可愛い!

前述の続きですが、現代と違って肌の露出は圧倒的に少ないのに、この時代の女の子はなんであんなに可愛いのでしょう?

当時マドンナやボーイ・ジョージ(は男ですが…)がよくしていたあの頭に大き目なリボンというかバンダナを巻いて上着に缶バッジをたくさん付けて、ハイカットのブーツやスニーカーを履く。

スキニーもしくはスリムジーンズに、スタジャンもいいですよね!

 

 

まとめと総評

本作で描かれていた時代、みどりは何を聴いていたのか懐古してみるとやはりUKポップスを良く聴いていました。カルチャー・クラブにデュランデュランといった当時の代表格クラスとも言いますか。ブルース・スプリングスティーンも確かに聴いていたのですが、そこまでハマらなかったのが正直なところ。

 

映画の時代はサッチャー政権下で、イギリスがいささか不安定な時。そこでただでさえ居心地の悪かったジャベドの心にブルース・スプリングスティーンが叫ぶ、弱者への応援歌がぐさりと刺さったのでしょうね。

音楽のパワーは無限大。一人の人生をも変えてしまう力も持っているそんな物語でした。

人生のターニングポイントに立っている方へは是非とも観て欲しい作品です。

きっと勇気を貰えますから!

そして評価は、、、

 

☆☆☆☆

 

原題のBLINDED BY THE LIGHTとはブルース・スプリングスティーンの曲のタイトルです。この『カセットテープ・ダイアリーズ』という邦題も素敵ですよね!

 

 

 
 
本作のサウンドトラック ↓
ブルース・スプリングスティーンの未発表音源も収録。ファンは必聴ですぞ!

 

 

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