ミッドウェイ
原題:Midway
2019年 アメリカ 中国 香港 カナダ
監督:ローランド・エメリッヒ
上映時間:138分
鑑賞日:2020/9/12
劇場:109シネマズ湘南
こんにちは!いい映画の前では限りなくボーダレス!支配人のみどりです。
こんな事言っているみどりですが、実は愛国心は人一倍。
報道等で反日運動をしている映像を見ればそれは腹が立つものです。しかし最近になって気づいたのですが、これが素晴らしい映画の前では不思議と何も思わない。
反日抗日上等。思えばブルース・リーの『ドラゴン怒りの鉄拳』(みどりの感想はコチラ)、今年では『マルモイ』(みどりの感想はコチラ)も敵側は日本でしたよね。作品自体が良作であればみどりは何も思わない、まあ映画ファンの性というのでしょうか。
しかし…どうしても許せない作品がありまして、それは2001年公開、マイケル・ベイ監督の『パール・ハーバー』という作品。タイトル通り真珠湾攻撃をテーマにしたラブコメ(?)珍作品なのですが、これが本当に酷く劇場でずっと拳を握っていました。
これにはみどりの愛国心が爆発し、以降、マイケル・ベイは三流映画作家として認定。
仲間内で『アルマゲドン』の話が出れば、必ず『パール・ハーバー』で落とすトークをしております。
何が酷いって日本の参謀本部が何故か青空の下だし、かの山本五十六は中国の仙人みたいだしとにかく日本の描き方が間違っている。
いやね、昔のハリウッド映画では変な日本たくさん出てきましたよ。それは昔の話で、昨今タランティーノ監督みたいに日本人よりも鮮明な日本を描く監督がいるわけじゃないですか。(みどりは『キル・ビルvol1』のラスト、雪が舞う庭園での殺陣のシーンでこの事を実感)それを21世紀でしかも戦争映画というデリケートなジャンルであればなおさらかと。
とにもかくにも山本五十六の“謎のセリフ”というのをご存知でしょうか?
「我々は眠れる巨人を叩き起こしてしまったのかもしれない…」
真珠湾攻撃の後に仙人扮する山本五十六がこぼすシーンも『パール・ハーバー』には描かれていましてね。この監督は何を言わせているんだと思ったのですが調べてみると実際に言っていたらしいんです。
これ諸説あるらしいのですが、日本側はそんな事言ってない、米国側は確かに言ったという有名なセリフらしいんですな。
もはや今となっては知る由もないのですが、今回ご紹介するエメリッヒ監督『ミッドウェイ』は真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までを描いた作品となっております。
果たして『インディペンデンスデイ』は良かったけど…と言われてしまうのか!?
あらすじ
1941年12月7日(日本時間12月8日)歴史が大きく動いた
連合艦隊司令長官山本五十六(豊川悦司)の命により、南雲忠一中将(國村隼)や山口多聞少将(浅野忠信)らの空母機動部隊が奇襲香華を仕掛けた。一人の優秀なパイロットのディック・ベスト(エド・スクライン)らは真珠湾に帰港、その惨状を目の当たりにして愕然とする。
兵力とプライドに大打撃を受けたアメリカ軍は、士気を取り戻し、日本に反撃するため、太平洋戦域の新たな総司令官に、ニミッツ大将(ウディ・ハレルソン)を任命する。ニミッツは着任早々、情報将校のレイトン少佐(パトリック・ウィルソン)に、「山本大将の考えを読み、彼の次の行動を教えろ」と命令するのであった。
主要キャスト
ディック・ベスト大尉:エド・スクライン
カリスマパイロット。無謀な操縦をするが敵は確実に仕留める技術を持っている。親友を真珠湾攻撃で失い復讐に燃えている。
チェスター・ニミッツ大将:ウディ・ハレルソン
真珠湾攻撃後、不屈の精神を買われで任命され、敗北のショックからの指揮高揚を図る有能な指揮官。
エドウィン・レイトン少佐:パトリック・ウィルソン
太平洋艦隊情報主任参謀。日本への赴任経験を活かし、日本軍の作戦を分析する。
山本五十六海軍大将:豊川悦司
日米開戦に否定的だったが、時代の流れの中で、早期の戦争終結を望み真珠湾奇襲とミッドウェイ海戦を構想し総指揮を執る。
山口多聞少将:浅野忠信
第二航空戦隊司令官。空母飛龍に座乗。第一航空艦隊の危機的状況に際して敢然と立ち向かう。
南雲忠一中将:國村隼
第一航空艦隊司令長官。空母赤城に座乗。アメリカ軍に暗号を解読されて、先手を打たれて苦戦を強いられる。
見どころ
安心のエメリッヒ印
スペクタクル映像といえばエメリッヒ監督は数々の芸術的なシーンを撮ってきましたよね。
彼が本気で戦争シーンを撮るとこうなると痛感します。
急降下爆撃(米軍戦闘機の常套手段で、機体は一度上昇し対象の空母目掛けて急降下してギリギリのところで爆弾を投下。これによって下からの銃撃に対し当たり判定を下げながら攻撃の命中率も上げるというメリットが多い方法だが、爆弾投下後、引き付け過ぎて機体を立て直す事が出来ずそのまま墜落してしまう事も多かった諸刃の剣。因みに極限まで軽量に拘った日本軍の零戦は、機体の剛性上、これをやったら途中で空中分解したとの事)のシーンなんて凄いですよ!
カメラはアングルは機体のやや後方から、無論CGなので実際にカメラが機体に付いていないですが、「手ブレ感」が出ていて常に画面が揺れているのです。
そして猛スピードで空母に急降下していくので少しかげろうっぽい画になっているという細かさ。これらの戦闘シーンだけ観るのでも入場料の元は取れます!
まとめと総評
とにかく戦闘シーンは凄いのですが、ストーリーはやはり詰め込め過ぎた感は否めませんでした。クリントイーストウッド監督の『硫黄島二部作』のように両方の視点から別の作品に分けて欲しかったですねぇ…。
それでもこれまでの戦争映画と比較すると、両国の公平感はしっかり描かれていたのでここは大いに評価したいです。
特にエンドロール直前に映し出される一節はグッときますよ!
冒頭に言いました山本五十六謎のセリフですが、本作でも言っていましたね…。
という訳で本作の評価は、、、
☆☆☆
『パール・ハーバー』の病はこれにて浄化された気がします(笑)
エメリッヒといえばコチラ ↓
ただオチに対しては全く納得できないです。
もはやネタの為に観てほしい珍作 ↓
憤りしか感じません。