テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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女性監督が描く転落劇『グッド・ワイフ』感想と見どころ

グッド・ワイフ

原題:Las Ninas Bien

2018年 メキシコ

監督:アレハンドラ・マルケス・アベヤ

上映時間:100分

鑑賞日:2020/8/10

劇場:シネマジャック・アンド・ベティ

 

 

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 他人の不幸は蜜の味と昔からいいましてねぇ。

いきなり下衆い台詞で失礼しました。こんにちは!支配人のみどりです。

特にお金持ちが堕ちていく姿って凄い物語になるんですよね。

 

かつて秒で億を稼ぐと豪語していた与沢翼氏が、秒で堕ちていく様は彼のSNSから目が離せなかったですもん。しかしその後、彼は不死鳥のごとく復活して、ダイエットにも成功。

現在の姿の方が好感持てます。

 

まあここまでは余談なのですが、今回ご紹介する作品は『グッド・ワイフ』というメキシコ産の作品。

2013年のウディ・アレン監督『ブルー・ジャスミン』が好きな方は特にお勧め!

ではあらすじからどうぞ!

 

 

あらすじ

1982年、メキシコシティの高級地区ラスロマス。実業家の夫フェルナンドとの間に3人の子供に恵まれたソフィア(イルセ・サラス)は、高級住宅街にある美しい豪邸で満ち足りた生活を満喫していた。

ソフィアの誕生日を祝うパーティーには大勢のゲストが集まった。夫フェルナンド(フラビオ・メディナ)からのバースデープレゼントはフォードの高級車グランド・マーキー。ニューヨークで手に入れたドレスで完璧に着飾ったソフィアは正にみんなの女王だった。

富裕層向けの会員制スポーツ・クラブの新入りであるアナ・パウラ(パウリーナ・ガイタン)のことをソフィアは見下していた。不倫の末、裕福な実業家ベト・ハダットの妻の座を手に入れた彼女は、自分たちのコミュニティに相応しくないと思っていたのだ。

そんな順風満帆に見えたソフィアの生活に、歴史的なメキシコの債務危機の闇が訪れようとしていた…。

 

 

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本作のパンフ。ポップなデザインが可愛いですね。

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内容はストーリーパートも含めネタバレ全開です(笑)

 

主要キャスト

ソフィア:イルセ・サラス

実業家の夫の妻、3人の子供の母親だが、子育ても含め身の回りの世話は使用人がやっている。コミュニティの中心人物。

 

フェルナンド:フラビオ・メディナ

ソフィアの夫。叔父ハビエルとともに父から相続した会社を経営。会社が傾きかけたところで叔父から代表権を受け取る。

 

アナ・パウラ:パウリーナ・ガイタン

不倫の末、実業家のベト・ハダットの妻となる。最近ソフィアたちの居住区に越してきたが、ソフィアからは疎まれている。

 

 

見どころ

女性監督ならではの富裕層エレジー

かいつまんでいきますと、まず衣装が素晴らしかった!

エレガントですがスノッブではないと。そして時代は80年代という事もあり肩パットが懐かしい!

そして彼女たちの会話劇は女性視点でしか描けない内容満載。

この空虚な会話が拝金主義者の悲哀をとても重厚に描いています。

『ブルー・ジャスミン』は男性視点(作り手が)での内容でしたので、この比較が楽しいですよ。

 

堕ちる描き方も女性監督ならでは

作品の大筋は富裕層の転落劇なのですが、こちらも綺麗に女性っぽくまとめられています。

ソフィアが嫌っているアナ・パウラ。彼女がクライマックスにソフィア言う台詞はまさに正論で、観客の代弁者でもありました。そしてこのシーンが凄く整頓されていて心地いいんです。

男性監督ですと、どうしてもドラッグに走ったり、がさつな性行為を行ったりというシーンに頼りそうですが、本作にはそのような描写はありません。

フェルナンドが酒に逃げるシーンはありましたがね。

 

 

まとめと総評

苦労を知らない人間は逆境に弱い!

このジャンルの作品を観る度に想う事で、ナチュラルボーン庶民だったみどりからすると本当にか弱く見えてしまいます。

先日亡くなられた竹内結子さんですが、報道の一文に違和感を覚えました。

「ウォークインクローゼットでぐったりしているところを…」

って庶民の家にはウォークインクローゼットなんか無い訳で、財産もあり家族もいるのに自死をしなければならなかったのは何故なんでしょうかね…?

お金がたくさんあるのに幸せとは限らない。

幸せってやはりお金では買えないのか。

この作品もそんな事を考えさせられる内容となっています。

という訳で本作の評価は、、、

 

☆☆☆

 

プライスレスを大事にしましょう!

 

 

ケイト・ブランシェットが文句無しのオスカー受賞 ↓

脇汗が忘れられませんな。

 

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