スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち
原題:STUNTWOMEN THE UNTOLD HOLLYWOOD STORY
2020年 アメリカ
監督:エイプリル・ライト
上映時間:84分
鑑賞日:2021/1/16
劇場:イオンシネマズ茅ヶ崎
こんにちは!映画の事は何も知らない支配人のみどりです。
昨年一番面白かったドキュメンタリー『ようこそ映画音響の世界へ』(みどりの感想はコチラ)。
もう目から鱗が落ちまくったのと同時に、今まで色んな人に好きな映画を語って、そしてこんな駄文を連ねていてもまだまだ映画の事を何も知らないんだなと軽い自己嫌悪に陥ったわけですよ。
やっぱり映画は奥が深い総合芸術。まだまだ勉強が必要なみどりは今後も精進するとして、気概が冷めやらぬタイミングでまたもや映画の知られざる一面を見せてくれる作品が今回ご紹介する『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』。
女性スタントに焦点を当てたドキュメンタリー作品です。
製作総指揮は『ワイルドスピードシリーズ』でお馴染みのミシェル・ロドリゲス。
どうしてもスタントというと男性のイメージが強いですね。しかしその歴史はとても古く既に60年代の白黒時代には活躍されていたとか。
彼女たちの活躍と、現場での苦悩を綴った内容となっています。
本作は残念ながらパンフレットの販売はありませんでした。こういう作品ほどパンフレット作って欲しい!!
あらすじ
私たち観客は当たり前のように激しいアクションシーンを観ているが、それがCGなのか実際に誰かが演じているのか意識が向くことはない。実際CGでは表現不可能なシーンは世界中でスタントパフォーマーたちが現場で演じている。
激しいカースタントやCGと見間違えるほどのバイクアクションなど各分野で活躍するスタントウーマンたちの日々の鍛錬や、歴史を映し出す。
見どころ
女性ならではの悩み
スタントウーマンがまず初めに気にする事は、
肘と膝にパットを入れられるか?
なのだそうです。もうみどりは今までまったく意識せず作品を観てきて、頭にハンマーを打ち付けられた気持ちになりました。
男性の演者は基本長袖長ズボン、例えるなら『ターミネーター』シリーズのシュワルツェネッガーはGパンにライダーズジャケットにロングブーツ、極めつけにレザーグローブと肌の露出が無いじゃないですか。なので中にプロテクターは付け放題。
しかし女性となるとスカートという基本アイテムでスタントに挑まなくてはならない時、完全に丸腰でアクションをせざるを得ないというね。
これは厳しいと感じましたよ…。それに例え長袖長ズボンの衣装でも、身体のラインを意識しないといけない為、男性スタント並みに防具を付けられないとの事です。
ここでふと頭をよぎったのは、ジャッキー作品に登場した身体をはった女優さん達の衣装。
何か不自然だなと思ったのはこの為なのかと。当時はダサイ衣装だな…と神をも恐れぬ浅はかな考えをしていましたね(苦笑)そう、皆さん長袖長ズボンなんです。
『ポリスストーリー』のブリジット・リン(セリーナ役)の恰好覚えてますか?あのオーバーオール姿なんて典型的じゃないですか。
動ける体さえあればいつまでも
本編にはスタントウーマンのトレーニング風景もてんこ盛り。一般的なワークアウトから車にはねられる練習まで。
その中でも一番ムネアツだったのが、デビー・エヴァンスというミシェル・ロドリゲスのスタントをされているパフォーマーの方と、その息子さんとのカーチェイス。
挨拶のようにいきなり、それも封鎖されていない一般道でおっぱじまる親子鷹に瞬きを忘れてしまいました。
デビー・エヴァンスは既に還暦を超えていらっしゃるのです。
動ける体がある限り、彼女達は永遠に輝き続ける事ができるんだなと頼もしく思うのです。
まとめと総評
歴史ある白黒映画から誰もが知っている90年代作品まで、そして誰もが興奮したあのシーン達。その裏側に隠された彼女たちの苦痛の物語は知っておいて損はないと思います。
そしてやっぱりか・・と少しだけ落胆してしまったのが、ジェンダー問題の話ね…。
どうしてもこの話題って語られなくてはいけないのは理解しているのですが、いささか本編の趣旨とずれていっている気がして仕方がありませんでしたよ。
このパートが無ければ、純粋にスタントウーマンのあゆみを満喫できたのですが、やっぱりこれもセットなんですよねぇ…。
評価なんですが、
☆☆☆
登場した作品をまた違った目線で鑑賞できることうけ合いです!