テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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あの名作と混同しないように…『聖なる犯罪者』感想と見どころ

聖なる犯罪者

英題:CORPUS CHRISTI

2019年 ポーランド=フランス合作

監督:ヤン・コマサ

上映時間:115分

鑑賞日:2021/1/23

劇場:kino cinema横浜みなとみらい

 

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 こんにちは!不良の底上げ評価は断固認めない支配人のみどりです。

 

この不良の底上げ評価とは、よく言われる不良やその他反社の方々が善行をすると過剰に褒められる事。

情報番組のイカかれコメンテーターが、不良がお年寄りに席を譲ったり、落ちているゴミを拾ったりしている光景を、したり顔で褒めちぎる様を見ていると虫唾が走ります。

彼らが迷惑をかけていた普通の人が同じ事をしても大したリアクションもないくせにね。

まさかそんな事をしないだろうというギャップがこの狂った光景を生み出しているのだという事は理解できますが。

 

さて、本作を鑑賞する前はこういったイメージを抱いていたのですが、内容は少しだけ違っていました。

それよりも一歩間違えればあのコメディ作品のようなカラーになっていたのかもです!

 

 

あらすじ

20歳のダニエルは第二級殺人罪で少年院に服役していた。

少年院では定期的にミサが行われており、熱心なカトリック教徒であるダニエルは、厳格なトマシュ神父に信頼されてミサでのまとめ役を任されていた。そんなダニエルは毎日祈りを捧げているうちに「神父になりたい」という夢を抱くようになる。しかし犯罪歴のある彼には神学校への入学資格はない…。

ダニエルが仮退院をする日が来た。新しい生活を製材所で働くことになったダニエルは、土地勘もない地元の教会でマルタという少女に出会う。正体を尋ねられてダニエルはとっさに「俺は司祭だ」と答えてしまう。

 

 

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本作のパンフレット。劇中のイメージカラーが表紙にも出ています。

 

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四方田犬彦さんのコラム凄く面白かったです!

 

主要キャスト

ダニエル:バルトシュ・ビィエレニア

喧嘩で相手を殺してしまい少年院に服役していた。被害者の兄からは憎悪の念を持たれている。仮退院の後、偶然が重なり地元の偽司祭となる。

 

マルタ:エリーザ・リチェムブル

ダニエルが訪れた村の住民。7人の命が犠牲になった交通事故に疑念を抱いている。

 

トマシュ神父:ルカース・シムラット

ダニエルが服役していた少年院にミサに来ていた神父。司祭になる資格が無いダニエルに、世の中の役に立つ方法は他にもあると諭した。

 

 

見どころ

ダニエルはどこまで本気だったか?

本作一番の肝。みどりは鑑賞中ずっとこの事を考えていたんですよ。

トマシュ神父に、シャバに出たらドラッグはおろか酒も断つと断言していたくせに、その帰り道にフルコースで楽しむダニエル。

少しだけ余談ですが、ここのキマッた状態で踊り狂うダニエルのシーン最高にカッコ良かったです。あの目がね!

そう、そして基本情報を偽って偽神父になったわけでして、これって神の道に反する行為では無いのかと。でもですね、パンフレットの監督のインタビューですと、なんやポーランドでは偽神父の事件は珍しい事ではないんですって。あ、本作も実話がベースになっています。

皆さんも考えてみて下さいね。

 

 

まとめと総評

少し古い作品ですが、ウーピー・ゴールドバーグの『天使にラブソングを』という作品を思い出された方も多いと思います。

これはコメディ作品なので本作とは全く毛色が違いまして、この差別化を映像のカラーによってキッチリ行っているのが凄い!

みどりも『天使にラブソングを』は世代的にど真ん中でしたが、監督のインタビューを読むまで思い出す事は無かったです。

そして冒頭に言いました、不良の底上げ評価も杞憂に終わりましたよ。

何せダニエルは…あ、これはネタバレになりますので割愛しますね。

評価は、、、

 

☆☆☆☆

 

ヨーロッパ映画のエネルギーが爆発しています!

ハリウッド映画に胃もたれしている方には大変オススメです。

 
まあ懐かしいですな ↓
90年代を象徴する1作です。
 

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