ある人質 生還までの398日
原題:SER DU MANEN, DANIEL
2019年 デンマーク・スウェーデン・ノルウェー
監督:ニールス・アルデン・オプレヴ
上映時間:138分
鑑賞日:2021/2/27
劇場:横浜シネマリン


こんにちは!テロ組織は絶対に許せない、支配人のみどりです。
さて、以前ご紹介しました『ジャスト6.5 闘いの証』(みどりの感想はコチラ)でも書きました通り、みどりは中東のステレオタイプな考えをぬぐい切れません。
その大きな理由の一つはISISを初めとするテロ組織が影響しているのかと感じますね。
やっとここに来て勢力は落ち着いてきた感がありますが、ピークの頃は世界中からその信者(という表現が妥当かはともかく)を集めていて、その賛同する人達には全く理解ができませんでした。
ISISだけではなく、中東のテロ組織の主張は異教徒は全て敵、自らのテロ行為を「聖戦」と称し正当化し、罪もない人を拉致しては「同胞の苦しみを味わえ」と残忍な方法で殺害し、あまつさえ動画サイトで公開する・・。
根深い感情もあると思いますが、みどりのような一般人はせいぜいこんなイメージです。
えぇえぇ全く理解ができませんとも。またこれが宗教の影響が多分に絡んでいるとすればそんな信仰なんて無くなってしまえばいいとさえ思います。まったく愚かで言葉が出ません。
彼らを理解するために一から勉強せぇ!と言うのであれば理解すらする気も起きません。
だって生きたまま人をナイフで斬首する輩をどう理解すれば正当化できるのでしょう?
地獄のような拷問を繰り返し、弱みにつけ込み母国から身代金を要求してそれを活動資金にしているケダモノをどうとらえればいいのでしょう?
とにかくみどりは彼らを許せない。そんなみどりの逆鱗に触れる作品が今回ご紹介する『ある人質 生還までの398日』
奇跡的にテロ組織から生還を果たしたデンマーク人カメラマンの実話です。
あらすじ
ダニエル・リュー(エスペン・スメド)はデンマーク体操選手のメンバーであったが、怪我が原因で選手生命を絶たれてしまう。彼の夢は写真家であった。ソマリアでサッカーをする少年達を撮った時、彼は戦争の中の日常を記録することと確信、そのための撮影地をシリアに選んだ。
戦闘地域には行かないと聞き、家族は安心してダニエルを送り出す。
だが、トルコとの国境付近の町アザズで撮影中、ダニエルは突然男たちに拉致されてしまう・・・。
主要キャスト
ダニエル・リュー:エスペン・スメド
体操の選手であったが着地の際に足を骨折、そこで選手生命を絶たれてしまう。
夢であった写真家になったが、テロ組織に拉致されてしまう。
アートゥア:アナス・W・ベアテルセン
身代金交渉人。現地でテロ組織の要人とも接触してダニエルファミリーのため献身的に働く。
ジェームズ・フォーリー:トビー・ケベル
アメリカ人ジャーナリストでダニエルと同じ組織に拉致される。窮地に立たされてもひたすらポジティブ。他の人質達にも勇気を与える。
見どころ
これが現実!
絶対にニュースや動画サイトで公開しない現実。
人が一人拉致されるとこれだけの人数が動き、これだけ家族や周りの人達は苦しみ悩む・・。遊び半分は勿論のこと、お仕事でもかの地にはもう行くもんじゃあ無いと感じました。
何せ捕まったら最後、殺されるか身代金を払って解放されるかの二択ですもんね。
その身代金を工面するのに母国の家族やエージェントが奔走するのですが、これがまた観ていて心が痛い・・。拉致被害者の家族は母国にいながら地獄を味わうのですよ。
まとめと総評 ※ここからネタバレです。
実話なのでしょうがないですが、この結末には本当に納得がいかない・・
無論私情がはさまってます。
では身代金を払えずにダニエルが惨殺されるのを期待したのかというのもまた違くてですね。とにかくテロ側の勝利というのが許せないんですな。
あわよくば血迷ったトランプが空軍を総動員して、彼らのアジトを人質を救出しながら徹底空爆をするエンディングが良かったです。まあこれが出来たら苦労はしないんでしょうが(苦笑)
あのダニエルの家族が必死にかき集めた大金が、また奴らの活動資金に充てられると思うとはらわたが煮えくりかえるのです。
もう何とかならんのですかこの状況・・。
という訳で作品の評価は、、、
☆☆☆
結局万人が納得できる着地は物語のテーマとしては不可能なんでしょうね。