テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

【スポンサーリンク】

そこはツッコミどころが満載の町だった!『人数の町』感想と見どころ ※少しネタバレ

人数の町

2020年 日本

監督:荒木伸二

上映時間:111分

鑑賞日:2020/9/5

劇場:kino cinema横浜みなとみらい

 

f:id:t-midori:20201115182246j:plain
f:id:t-midori:20201115182257j:plain

 

 今年、というかここ数年邦画が弱い感じがするんですよねぇ。

こんにちは!支配人のみどりです。

一応自分なりに原因を考えてみたのですが、どうも監督の威厳ていうのが無い状態で撮影されているのではないかと思ってみたり。

しいては現場の雰囲気だとか、プロデューサーとの関係性が築けてないままスケジュールを敢行してつまらない作品が生まれてきているのではないかと勘繰っています。

 

なんか本作『人数の町』もその一つと感じまして、この荒木伸二監督は本作が長編デビュー作。CMやMVを手掛けられてきた新人監督さんですな。

 

本作では脚本も書かれておりまして、その発想は素晴らしいのですがなんともツッコミどころが満載で、初めに申し上げると全く響かなかったです…。

ではあらすじからどうぞ!

 

 

あらすじ

ビルの雑踏で蒼山(中村倫也)が闇金と思われる男に詰められていた。

そこへ黄色のツナギを来た男が突然闇金を叩きのめした。

男は言う、

「お前に“居場所”を用意してやる」

つれてこられた“町”は奇妙であった。簡単な労働と引き換えに衣食住が保証される。

それどころか町の社交場であるプールで繋がった者同志でのセックスも自由。

一体誰が?何のために?

 

 

f:id:t-midori:20201115182524j:plain

本作のパンフレット。公開初日にメルカリで取引されていました。

f:id:t-midori:20201115182626j:plain

 

主要キャスト

蒼山哲也:中村倫也

借金取りに追われているところを、“町”のチューターであるポールに救われ町の住人となる。紅子と出会った事で町からの脱出を決意する。

 

木村紅子:石橋静河

妹を探しに自ら町の住人となる。

 

末永緑:立花恵理

町ではひと際目立つ美女。セックスの申し込みも後を絶たない。

 

 

見どころ

この時代こんな町があってもおかしくないかも

この町での労働とは、主に選挙の代理投票やデモの参加。そしてネットの口コミサイトへの書き込み等。一個人のアイデンティティははなから否定され、いわゆる「モブキャラ」に徹する事が条件となっています。そしてニュースなどで報道されている行方不明を見ると、ひょっとしたらこういう町に連れてこられて、そこで元気にやっているのではないかと妄想してしまいます。こういうSF的設定は素晴らしいと思いました。

それだけですが…(笑)

 

 

まとめと総評

※ここから少しだけネタバレいきます

 

 

 

 

はい、冒頭でお話した通りあまりのツッコミどころが満載で響かなかったみどりですが、

今回は初めに評価から、、、

 

 

まず予告の時点で嫌な予感はしていました。それは「セックスの快楽を貪ることも出来る」と謳っておきながら何故に映倫オフ…?当然男女の裸体が映し出されるシーンはゼロ。

人気絶頂の中村倫也に快楽だけの性行為が散りばめられる作品に出演させるわけはいかなと忖度した結果でしょうか?

これって凄く作品の表現度を損なっていると思うんですよねぇ。

大島渚監督だったらどういう作品になっていただろうと考えてしまいました。

 

そしてこの町の住人ですが、あれだけの人数を収容していて彼らは事実上戸籍が抹消されているという設定にも無理がある。

少なくとも彼らには産みの両親は存在しているはずなので、その人たちが捜索願いを出していないとはどうしても考えられない。

 

あとは、口コミサイトへの書き込みもたったあれだけの人数では流石に足らないのではないかとか、ボイラー室での行為って何のためとかね。

 

最大の謎は、逃亡中、いつの間にか妊娠している紅子でしょう。

あの緊迫した状況下でいつ行為に及んだ?そしてその妊娠が発覚するスピードって…。

 

 

初めは町に連れてこられ、そこでの生活が始まり合間に実際の行方不明者や完全失業者の人数がカットインされて、今後の展開を期待させる工夫が見られたのですが、物語が進行してくるにつれてツッコミどころも増えていくというね。

 

パンフレットに「新人監督日誌」なる撮影時の状況が監督ご自身で書かれていたのですが、とにかくこの荒木監督、長年の夢が叶った感が満載の文章が綴られていたのです。

しかしそれはあくまで「映画を撮る夢が叶った」わけで、「いい作品を撮る」事にはいたっていないとみどりは感じたのです。

だって撮影初日になってスクリーンサイズを決めるの忘れたって…。

軽く憤りすら覚えました。映画ファン舐めんなと…。

前回鑑賞した作品が『mid90s』でジョナ・ヒル監督が4:3の画角に拘ったエピソードを垣間見たばかりで余計落ち度が目立ってねぇ。(みどりの感想はコチラ

中村倫也さんにも、新人さんだけにおどおどされながらなんとか監督してましたとか言われていますし。

まあ次回作があるかどうかは知る由もないですが、今回はこんな感じです。

 

【スポンサーリンク】