テアトルみどり座

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思わずお見事!と叫びたくなる一作『スパイの妻〈劇場版〉』感想と見どころ

スパイの妻〈劇場版〉

2020年 日本

監督:黒沢清

上映時間:115分

鑑賞日:2020/10/24

劇場:TOHOシネマズららぽーと横浜

 

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 こんにちは!支配人のみどりです。

何気なく朝の情報番組を見ていて飛び込んできたニュース。それは日本人監督がヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞したというではないですか。

朝食の用意の手を止めてテレビを見ると黒沢監督が本作『スパイの妻』での受賞。

これは北野監督の傑作『座頭市』以来17年振りの快挙!

日本人監督が世界の映画祭で名を馳せる事は同じ日本人として誉れに思いますよね!

 

う~ん、でも黒沢監督でしょ?あの『スウィートホーム』の…。

大変失礼ですが、みどりはこの『スウィートホーム』はあまりノレなかった人間でして、はっきり言うとつまんなかったです。

しかし、今考えてみると『リング』が登場する10年近く前にこのレベルのホラーを作ったっていうのはまごう事なき快挙でもありますよね。

 

話を元に戻しますと、その情報番組でとある映画評論家の方が、本作を解説しているのを見ていると鑑賞意欲が湧きあがってこの度観てきました。

ではあらすじからどうぞ!

 

 

あらすじ

1940年、神戸で貿易会社を営む優作(高橋一生)は妻聡子(蒼井優)を演じさせ映画を撮影している。これはあくまで趣味の域だが、優作の表情はいきいきとしていた。

「来月、ひと月ほど満州に行ってくる」

優作は物資の安い満州への渡航を決めていたが、戦況が思わしくない昨今海外へ行くのは危険ではないかと心配する聡子。

大陸で映画も撮る、と言って優作と通訳の文雄(坂東龍汰)は満州へ渡った。

優作の帰国を心待ちにする聡子の元に、優作から電報が届く。

ニシュウカン キコクオクラス

その知らせは優作と聡子の運命を狂わす序章に過ぎなかった…。

 

 

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本作のパンフレット。中の文章は全て明朝体なのが特徴的でした。

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裏表紙は本作のキーアイテムのチェスが…。

 

主要キャスト

福原聡子:蒼井優

優作の妻。満州から帰国した優作から恐ろしい事実を聞かされる。

 

福原優作:高橋一生

福原貿易の社長。ビジネスで訪れた満州で知ってはいけない事を知る。

 

竹下文雄:坂東龍汰

優作の甥。

 

津森泰治:東出昌大

憲兵分隊長で神戸に赴任してきた。

 

 

見どころ

光の陰影が素敵

冒頭で話した情報番組内でも紹介がありましたが、本作では光の使い方が非常に工夫が凝らされています

例えば聡子が優作に初めて疑いを持っている事を告白する室内での食事のシーン。疑念を持っている聡子、何かを隠している優作、二人の顔は半分影に隠れているんですね。お互いを愛しているけど何か後ろめたい心を表すためにこの画になっているんですが、室内では決して窓の位置的にこのような影はかからないのです。

こういう視覚効果が随所にあってとってもオシャレ!

その他、

事実を知って途方に暮れながら夕焼けの町を歩く聡子の後ろ姿。

バスの車内で優作から何かを耳打ちされる聡子の横顔に差し込む光。

これらのシーンは作品の世界観を非常にミステリアスに演出しています。

 

 

まとめと総評

「劇場版」と銘打ってあるのは、既にBSNHKで放送されたものを脚色を変えて劇場版に再編集されているからです。制作は無論NHK。どこかで見たセットだなと思っていたら、大河ドラマ『いだてん~オリムピック噺~』で使用されたセットをそのまま使ったとの事。

セットもさることながら、蒼井優と高橋一生も凄く当時の時代にマッチした出で立ちで物語の世界観にドハマりだったと思います。

そして予想以上にミステリー要素もてんこ盛りなので、このジャンルがお好きな方には大変お勧めです。聡子と優作がとったその後の行動とは!?是非本編で二人の結末を堪能してみて下さい!

評価は、、、

 

☆☆☆☆

 

『スウィートホーム』のイメージは完全に払拭されました(笑)

監督の次回作を楽しみにしています!(調子いい)

 

 

みどりの黒沢監督のイメージはこちら ↓

レベッカのNOKKOがいい味だしてましたなぁ。

 
 
若い世代の方はこちらのイメージが強いですかね ↓
 
 
 
 

 

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