野球少女
英題:Baseball Girl
2019年 韓国
監督:チェ・ユンテ
上映時間:105分
鑑賞日:2021/3/13
劇場:109シネマズ湘南
こんにちは!絶賛オリンピック観戦中の支配人みどりです。
開催前は本当にやるんかなぁと訝しがっていましたが、やるのなら楽しませてもらおうと日々選手の皆さんを応援している次第です。
またね、オリンピックに限ったことではなく他のスポーツイベントでもそうなんですが、みどりは頑張った人のサブエピソードを知るのが楽しいんです。
とりわけ翌日の新聞で知る事が多いですね。辛い練習の日々、恩師の𠮟咤激励、家族の支え等々もう本番(テレビ観戦ですが)で泣かされて、翌朝朝刊で泣かされてお陰でストレス分泌が放出されまくって気分は爽快ですよ!
さて、今回ご紹介する作品は韓国作品の『野球少女』。大ヒットドラマ『梨泰院クラス』でトランスジェンダーの料理長を演じたイ・ジュヨン主演の作品です。
他にセロイの宿敵であった会長チャン・デヒを演じたユ・ジェミョンも出演していて梨泰院ファンは必見ですぞ!
あらすじ
かつて天才野球少女ともてはやされたチュ・スイン(イ・ジュヨン)は134キロの腕が買われ、韓国で20年振りとなる高校野球の女子選手となった。
しかし、進路を決めるタイミングで、夢のプロ球団に指名されたのはスインではなく幼馴染みでチームメイトのイ・ジョンホ(クァク・ドンヨン)だった。
仕事で忙しい母親からは毎日のように将来の進路を聞かれている。そのスインの父親は何年も宅建の資格取得に挑戦しているが実らない。今日も母親からは、「頼むから父さんのようにならないでよ」とせがまれる。
“150キロを投げてプロに行く!”
こう決意したスインは夜遅くまで手に血を滲ませて黙々と練習を続けていた。その姿にコ心を打たれたコーチのジンテ(イ・ジュニョク)はスインを連れて、知り合いのスカウトにトライアウトを受けさせてほしいと頼み込む。
主要キャスト
チュ・スイン:イ・ジュヨン
プロを目指す天才野球少女。しかし女性という事で男性よりも早い球は投げられず、周りからは彼女の夢を理解してもらえない。
チェ・ジンテ:イ・ジュニョク
スインの高校野球部の新コーチ。かつてはプロ筆頭株だったが、酒に溺れてドロップアウトし、家族にも逃げられてしまう。最初はスインに理解を示さないが、徐々に彼女の可能性を見出し、プロにも通じる球種を伝授する。
イ・ジョンホ:クァク・ドンヨン
スインの幼馴染み。プロの指名を受ける。
見どころ
韓国映画にしては起伏のない静かな展開
しかしこれが凄くハマってましたよ!
このテの作品ってクライマックスに試合やって、劇的なゲーム展開で幕を閉じるってのが定番じゃないですか。しかし本作は違います。着地点は本編を鑑賞して確かめてもらうとして、もう一つ挙げたいのが、夜の住宅街でスインとジョンホの会話のシークエンス。
「昔はあんたよりもうまかったのに」
とプロの指名を受けたジョンホに彼女らしい悔しさも混じった祝辞を述べ、それを受けたジョンホは明らかにスインに気があるんですよ。しかしこれが実に本編のノイズにならない演出で静かに流れていく。確かにそこに男女がいれば恋愛が育まれていくのが必然です。
しかしジョンホが好きな女性はプロ野球選手になりたくてもがいている。いわばその時点で”女性”ではなく、いち夢追い人なんですよねぇ。そんな彼女の目には当然ジョンホの姿は映っていないのがまた切ない。
まとめと総評
信じていれば夢は叶う。
こんなベタな一節、もう忘れかけていましたが久しぶりに思い出して勇気が出ました。
そして韓国と日本の「部活」の違いを理解しておいた方がいいです。
韓国の高校部活動っていわばプロの予備集団なんですって。将来それで食っていく覚悟で部活に入部するって日本ではちょっと考えられないですよね。
まだまだ女性が台頭するには難しそうな野球の世界。これからどう変化していくのでしょうか。
☆☆☆☆
これから始まるパラリンピックも楽しみ!いっぱい応援します~
今考えてみたら鑑賞中一度も泣かなかったなぁと。
でもカタルシスは感じまくりの、ある意味異質な作品でした ↓
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