はちどり
英題:House of Hummingbird
2018年 韓国=アメリカ
監督:キム・ボラ
上映時間:138分
鑑賞日:2020/8/18
劇場:シネマ・ジャック&ベティ
こんにちは!支配人のみどりです。
皆さんも一度はこの話題で盛り上がったと思います。それは「次に生まれるなら男がいいか女がいいか?」
みどりは現在男性なので、次回は絶対に女性がいいですね。
女性の視点や人生観を体験してみたい!
そもそも人によって、この世は男性がいいか女性がいいかはっきりと分かれると思うんですよね。
それは国によっても千差万別。○○国では女性が得とか○○国では男性が得とか。
仕事で南米に行った時は、女性が家庭を支えているケースを多く目撃して少し驚いたものです。そしてそれは遊びにも影響しているのか、盛り場では女性からのナンパの多い事(笑)
いくら考えても正論なんて出てこない話題かと思いますので本題へ、今回ご紹介する作品は『はちどり』という韓国映画。
女子中学生の視点から90年代の韓国を見つめた作品です。
あらすじ
1994年、空前の経済成長を迎えていた韓国・ソウル。中学2年生のウニ(パク・ジフ)は、父(チョン・インギ)、母(イ・スンヨン)、高校生の姉スヒ(パク・スヨン)、中学生の兄デフン(ソン・サンヨン)と集合住宅に暮らしている。通っている中学の担任は高圧的で学歴主義。ウニはクラスになじめず無気力な学校生活を送っていた。
ある日、ウニが通っている漢文塾に行くと、階段でタバコを吸っている女性と出会う。彼女は新たに塾の教師となったヨンジ(キム・セビョク)。ソウル大学を休学中というヨンジはどこか他と違う雰囲気が漂っていた。
この彼女との出会いがウニの世界を今までと違ったものにしていくのであった。
そしてこれは、あの忌まわしいソンス大橋崩落事故が起こる前である…。
主要キャスト
ウニ:パク・ジフ
中学2年生。学校にはなじめてないが、同じ塾の友達とカラオケに行ったり、別の学校の男子生徒と付き合ったりそれなりに青春を楽しんでいる。両親は小さな餅屋を営んでいる。
ヨンジ:キム・セビョク
ウニが通う漢文塾の新任教師。生きづらいと感じていたウニに別の世界を見せる事になる。
見どころ
監督のセンスが光るカメラワーク
本作がキム・ボラ監督のデビュー作となります。
劇中で目立つのはウニの後ろ姿なんですね。このカメラワークにより、観客もウニの視点で物語の世界を見つめる事になるという。これが凄く効果的なんです。
観終わった後にはベネトンのリュックが欲しくなるかもです(笑)
最小限のセリフで
会話は少なめの演出。それでも各キャラクターの目線の演出がとても秀逸で展開も解りやすいものになっています。
やっぱりラストのウニの目線は要注目。そこに彼女は何を見たのでしょう?そして我々観客はこの映画で何を感じるのでしょう?
そしてこの瞬間、本作のタイトル『はちどり』の本当の意味が解ると思います。
ハチドリという鳥はあのホバーリングしながら花の蜜を吸う鳥。小さくても一生懸命羽ばたいているあの鳥です。
まとめと総評
本作は静かな雰囲気ですが、ジェンダー論とか家父長制の問題とか現代で避ける事ができないトピックがてんこ盛りとなっています。
ウニが生きづらかった韓国。いや決して韓国だけの問題ではなく、ここ日本でも他の国でも見かける光景ではないでしょうか。
完全は蛇足ですが、実はみどりはフェミニスト。この“フェミニスト”という言葉自体が今では強い意味を持っていますので誤解されがちですが、父から幼い頃、「女性には優しくしろ」と厳しく躾けられてきたのでこうなりました。
なので本編のウニに対しては同情しか感情が持てず、いささか作品のスペックを最大限に受け止める事が出来なかったと思います。
そんな訳で本作の評価は、、、
☆☆
少し低め!でも特に女性の方に勧めたい1本ですよ!