スウィング・キッズ
英題:SWING KIDS
2018年 韓国
監督:カン・ヒョンチョル
上映時間:133分
鑑賞日:2019/7/19
劇場:シネコヤ
今年の韓国映画ってどれも面白いですよねぇ。
『パラサイト~半地下の家族』(みどりの感想はコチラ)を皮切りに今年は韓国映画のただならぬ勢いを感じますよ。
本作もずっと観たくて楽しみにしていたのですが、くだんのコロナショック。
そして劇場自粛の期間を経ていつも行っている劇場はわずか1週間のみの上映。
ちょうどこの時にタイミング悪く「レッドデッドリデンプション2」というとんでもなく面白いゲームをおっぱじめてしまい、観にいけませんでした。(映画ファンとしては愚行の極み)
そんな時に鵠沼にあるお気に入りのミニシアター、シネコヤにて上映されると知って早速観に行ってきました。
あらすじ
1951年、朝鮮戦争当時、最大規模の巨済捕虜収容所。新しく赴任した所長は収容所の対外的なイメージアップのために、戦争捕虜たちによるダンスチーム結成プロジェクトを計画する。収容所で一番のトラブルメーカーのロ・ギス(D.O.)、4か国語も話せる無認可の通訳士ヤン・パンネ(パク・ヘス)、生き別れた妻を捜すために有名になる事を望み志願した男カン・ビョンサム(オ・ジョンセ)、見た目からは想像できないダンスの実力を持ったシャオパン(キム・ミノ)、そして彼らのリーダーであり元ブロードウェイのタップダンサー、ジャクソン(ジャレッド・グライムス)。紆余曲折の末、一堂に会したチームの名はスウィング・キッズ。それぞれ異なる事情を抱えてダンスを踊ることになり、デビュー公演が目前に迫っていた。
主要キャスト
ロ・ギス:D.O.
前線の英雄として活躍する兄をもつ。隠れてタップダンスを練習して、ジャクソンへの挑戦を繰り返しているうちに、いつしかスウィング・キッズの一員となった。
北朝鮮軍所属
ジャクソン:ジャレッド・グライムス
過去にブロードウェイのステージを渡り歩いていた元タップダンサーの米軍下士官。
当初は、「アジア人にダンスは無理」とさじを投げていたが、彼らの情熱を感じとり次第に打ち解けていく。
ヤン・パンネ:パク・ヘス
4か国語を駆使する無認可通訳士。家族の生計を担い、誰よりも芯が強く、しっかり者の少女。
カン・ビョンサム:オ・ジョンセ
乗る車を間違えたため捕虜収容所に来ることになった避難民。生き別れた妻を捜すためにチームに参加する。
シャオパン:キム・ミノ
天才的なダンスの実力を持った中共軍捕虜。見た目とは裏腹に栄養失調で狭心症。
見どころ
反戦作品としての『スウィング・キッズ』
本作は構成が実に解りやすくまとまっておりまして、オープニングではこの戦中の経緯がアニメを交えて説明が入るんですね。
そこで観客、さしずめ若い世代の方は「捕虜収容所」のイメージを覆されるほど牧歌的なムードに包まれているんですよ。
かく言うみどりも捕虜収容所といえば「ランボーシリーズ」で描かれていた連夜拷問が行われていたり、見せしめに捕虜を豚の餌にされたりといった地獄絵図が繰り広げられているイメージを刷り込まれていましたし…。
特に前半はしっかり笑い所も用意されている構図。しかし中盤からある男の登場で雰囲気は一変。一気に不穏な空気になり、
そこで我々は「今ここは戦時中なんだ!」と再認識させられるわけです。
そしてクライマックス。彼らのデビュー公演、リーダーであるジャクソンが行う舞台前挨拶のスピーチは感涙モノ!
Fuckin’ ideology
いい言葉だなぁ…
言うまでもないですが…
ダンスシーンは本作の一番の売りですので、ベタ過ぎて書くまでもないですが、みどりが一番心を打たれたのはロ・ギスとヤン・パンネとのダンスシーンでした。
まとめと総評
前半は戦中という事を忘れるくらいのほんわかムードで、後半は一変。そして衝撃的なラストに誰もが胸を打たれる事でしょう。
争いで血を流すよりも、ダンスで決着をつけようじゃないか
マイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」のPVを彷彿させるシーンがあるのですが、本編でまんま「今夜はビート・イット」を監督は使用したかったらしいですが、あまりにも使用料が高く断念したとの事です。残念ですね。
しかしジャレッド・グライムスが演じた「ジャクソン」という名はマイケルリスペクトで名前を拝借されたそうです。
☆☆☆☆
いやぁ本当に韓国映画面白い!
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