メトロ42:(原題)Metro
2012年 ロシア
監督:アントン・メゲルディチェフ
FMヨコハマの人気番組『トレセン』で開催されている「鉄道王決定戦」。
毎年10月に行われていて、支配人みどりも毎年楽しみにしております。
みどりは鉄道ファンでもなんでもないのですが、毎年レベルの高い鉄道クイズを、いとも簡単に回答される鉄道ファンの方々には脱帽です。中でも走行音でその車両の型式を当てる問題とかね。あのガタンゴトンの回数をカウントして車両数を分析し、そこから路線を絞って回答にたどり着く様は痛快感すら覚えます。
その出場者の方々は本作のような事態に陥った時はどうするのか、非常に興味がわきますね。
ロシア映画では珍しいパニックものの本作。まずはあらすじ、
あらすじ
地下鉄職員のセルゲイは業務中、線路上の天井から水が漏れているのを発見する。
手に取って匂いを嗅ぎ、「悪い水だ」と本部に報告しても無視されてしまった。
町医者のアンドレイ(セルゲイ・プスケパリス)は妻の不倫に悩んでいた。
そんな妻イリーナ(スヴェトラーナ・コドチェンコワ)は不倫相手のヴラト(アナトーリー・ベリイ)との情事にいそしみ朝帰り。
母の帰りが遅く娘の登校時間に間に合わないと、セルゲイは夜勤明けの身体にムチ打って彼女を学校に向かわせる。
途中アクシデントがあり、いつも使わない地下鉄に乗るセルゲイと娘。車内はラッシュアワーでごった返していた。
何気ない朝の風景のはずだった。
メトロ42号の運転手が線路の水たまりを見つけるまでは…。
キャスト
アンドレイ(セルゲイ・プスケパリス)
古い病院に勤務している医者。妻イリーナとは数年前から冷え切っている。
イリーナ(スヴェトラーナ・コドチェンコワ)
まだ若くて美しく、仕事もこなすアンドレイの妻。
彼と離婚を考えているが、娘のことが気がかりで踏み込めない。
ヴラト(アナトーリー・ベリイ)
イリーナの不倫相手。経済的な余裕もあり、娘も引き取るカタチでイリーナとの結婚を考えている。
見どころ
ただのパニックムービーと思うなかれ
世界中でやりつくされてきたお題につき、スペクタクル感はいささか劣りますが、各キャラが際立っていて、さながら群像劇がメインとも感じます。
特にヴラトは本作ではヒールであるべき立ち位置ではありますが、その冷静な状況分析力でピンチを切り抜けるシーンもあり、バタ臭い主人公アンドレイよりも魅力的に見える瞬間もあるほど。
おそロシア…
本作を観れば今のロシアが解る!と断言したらロシア国民はどう思うのでしょう。
とにかく日本と比較すると、信じられないシーンのオンパレード。
リンゴをかじりながら操縦する運転手。禁酒区域で少しお酒を飲んだだけで投獄されてしまう人。パーキングの通路に他の車を塞いで堂々と駐車する人等。
正に異文化を見ている感覚です。
サウンドトラックが意外と気持ちいい
何せエンディングのスタッフロールが全てロシア語表記なので、アーティスト名等確認が取れなかったのですが、本編で流れている曲全ていいです!
特にパニックシーンで流れるEDMは懐かしのt.A.T.uを思い出しました。
まとめと総評
イリーナは美しくてセクシーなのに、ダメな女っぷりが際立ってイライラすること山の如し。途中ヴラトが「ホントに頭の悪い女だ!」と罵倒するシーンがあるのですが、同意する人が多くて、制作側が意図しない感情を観客に植え付けるのかも。
そしてアンドレイとヴラトのライバル感も物語にスパイスを加えていますよ。
エンドロール直前の演出にご注目。
そして評価は、、、
☆☆☆
日本の地下鉄は、災害時一番頼れる交通機関ですよねぇ。