テアトルみどり座

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上田監督版『ジャッキー・ブラウン』になれたか⁉「スペシャルアクターズ」感想と見どころ

スペシャルアクターズ

2019年 日本

監督:上田慎一郎

 

待っていました上田監督作品第二弾!昨年「カメラを止めるな!」で大ブレイクした興奮も冷めきらぬうちに、次の作品を観ることができて幸せに感じます。

こんなに特定の監督の作品を追いかけたくなったのは、タランティーノ監督以来の感覚ですよ。某インタビューで聞いた話だと、本作の制作予算は5000万円とのこと。

前作「カメ止め」は300万(諸説あり)だったので、10倍以上のお金をかけて撮ることができたそうです。

まぁそれでもまわりの作品と比較すると低予算なのは変わりないですがね。

果たして前作は単なるまぐれだったのか!?それも検証すべく早速観てきました。

 

 

あらすじ

 

大野和人(大澤数人)は売れない俳優。警備員のバイトをしながらギリギリの生活をおくっていた。和人には妙な体質があって、男性に詰め寄られ、極度のストレスを感じると気絶してしまうのだ。

そんな病気を抱えていた彼は警備員の仕事を、今月いっぱいの解雇通告をされてしまう。その残りわずかな仕事中、酔っ払いに絡まれている会社員カップルを目撃。

なるべく騒動に加わらないように顔を背けながら、事態を見守っていると、絡まれた男性会社員は鮮やかに酔っぱらいを撃退した。のされた酔っ払いを見ると、しばらくぶりに再開した弟の宏樹(河野宏紀)ではないか。起業して金持ちになると言っていた彼だが、話を聞くと

「何もかも上手くいかないから、やけ酒あおって幸せそうなカップルに絡んでしまった…という設定。」

と訳のわからない事を言う。そんな話をしていると、先ほどの会社員が満面の笑みで近づいてきてお礼を言ってきた。先ほどの一件で、デートに誘った渦中の女性から信頼を勝ち得たとの事。宏樹は「スペシャルアクターズ」という、芝居で様々なサービスを行う会社に所属していた。

ちょうど俳優志望で、仕事も無くしかけた兄貴をここで仕事をしないかと宏樹は誘う。周りのスタッフともすぐに馴染んで、様々な依頼をこなしていく和人。

ある日、一人の女子高生が事務所を訪れた。依頼の内容は、

「私達の旅館を、新興宗教団体から守ってください!」

という内容だった。

 

 

キャスト

 

大野和人:大澤数人

 

気絶癖がある売れない俳優。ストレスを感じると気絶してしまうので、いつもおっぱいボールというストレス緩和用のおもちゃを持ち歩いている。

「レスキューマン」という日本未公開というC級映画が心の拠り所。

 

大野宏樹:河野宏紀

 

和人の弟。酒好きでちゃらい雰囲気だが、兄をとても慕っている。

 

大和田多磨瑠:淡梨

 

新興宗教ムスビルの教祖。ある日全能の神ガゼウスの啓示を受け、代償に声を失う。

コミュニケーションは専ら父の克樹とテレパシーで行う。

 

津川祐未:小川未祐

 

姉と旅館をムスビルから守ってと、スペシャルアクターズに依頼してきた女子高生。

 

 

 

見どころ

 

史上最強のイライラキャラ誕生

 

主人公の和人、初めはひたむきに夢を追いかける不器用な青年で、思わず頑張れと心でエールを送りたいものの、その男らしくない様に段々と殺意すら覚えることも。

弟と比較すると、この二人が血を分けた兄弟かと。

しかし恐らくこれが監督の狙いだと感じるのは全編観終わって初めて感じるところなんですねぇ。

いやあ見事でした!

 

自然な演出に抵抗なく引き込まれる

 

カット割りとか照明とかとりわけ過剰な演出はなくとも、それが功を奏してか観るものを選ばず誰でも物語に引き込まれるのは上田監督のテクニックだと思います。

我々が過ごすようなごく当たり前の風景に極上のエンターテインメントが浮上します。

 

もうこのままいって欲しい

 

はい、今回登場している役者さんも誰一人として知りませんでした。

何せ主人公を演じた大澤数人はこの10年で3本しか仕事をしてこなかったそうです。

そしてご実家にも役者をしている事をずっと内緒にしていて、この大抜擢でカミングアウトをしたと聞きました。

でもこういうのって若手や、今まで日の目を浴びてこなかった役者さん達にはもの凄いチャンスだと思うんですよ。

その影響で、前作「カメ止め」メンバーもその後CMとか出ていましたしね。

なんのコネも無く全員フラットなステージで役と勝ち取る。

因みに本作は15人の主要メンバーに1500通の応募があったそうです。

 

 

まとめと総評

 

結論を先に言うと、上田監督の作品はこのまま追いかけて行きたいです。

「カメ止め」はまぐれではなかったですよ。

パンフレットに書いてありましたが、監督は本作の制作でやはりというか、かなりのスランプに陥ったそうで。しかし松竹の担当さんから、やりたいようにやって下さいとの言葉に後押しされて生まれたのが本作だそうです。

支配人みどりが同じく崇拝するタランティーノ作品に置き換えると、

「パルプフィクション」からの「ジャッキーブラウン」てな流れみたいかなと。

そういう訳で本作の評価は、

 

☆☆☆

 

次回作、一日千秋の思いでお待ちしております。

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