WAVES/ウェイブス
原題:WAVES
2019年 アメリカ
監督:トレイ・エドワード・シュルツ
上映時間:135分
鑑賞日:2019/7/16
劇場:kino cinema 横浜みなとみらい
A24って凄いですよね。2012年に設立されて瞬く間に業界注目の制作会社に上り詰めた、今最も注目されているのではないでしょうか。
初期は『ブリングリング』で最近では『ミッドサマー』(みどりの感想はコチラ)とまた作品がいいですよね。
ただ正直言ってこの制作会社が、映画そのものに一体どれほどの影響力を醸しだすのか解らないんですが…。それでもなんか「A24最新作!」と言われると「お!まだよくわからないけど間違いなさそう!」と支配人みどりは思ってしまうのですよ。
ここまで来ると社名が独り歩きしてブランドイメージも高まるという、ビジネスの原理に直面していますよね。
とまあそんな小難しい事を語る文章でもないので、どうかお気軽に読んでみて下さい。
あらすじ
フロリダのハイスクールに通うタイラー(ケヴィン・ハリソン・ジュニア)の人生は眩しいほど輝いていた。裕福な家庭に生まれたタイラーはレスリング部のスター選手。美しい恋人のアレクシス(アレクサ・デミー)は誰からも愛される人気者。二人は深く愛し合い、お互いの未来を信じていた。
ある日、タイラーは気づかない間に肩を負傷していた事を知る。症状は深刻で医師からも大切な試合に出ることを禁じられ、引退まで迫られる。
それでも周囲の期待、とりわけ厳格な父親の期待に応えるべく痛み止めを服用しながら試合に出場することを決意したタイラーに厳しい現実が待っていた。
主要キャスト
タイラー:ケヴィン・ハリソン・ジュニア
順風満帆な高校時代を送っていたが、肩の負傷をきっかけに状況は一変、そこに追い打ちをかけるように恋人アレクシスの妊娠が発覚する。
アレクシス:アレクサ・デミー
タイラーの彼女。肩の負傷に落ち込むタイラーを元気付けようと努力するが、彼には伝わらなかった。
エミリー:テイラー・ラッセル
タイラーの妹。兄が起こした事件で深く傷つく。
ルーク:ルーカス・ヘッジズ
父との確執はあるが凄く純朴な青年。全てを知ったうえでエミリーに想いをよせる。
見どころ
あの作品のリスペクト
この作品は大きく分けると2章に分かれています。
前半の「タイラーの罪編」と後半の「エミリーの愛編」。
人生の転落から始まり、徐々に上っていくみたいな。この二つのチャプターの切り替わり、そしてコントラストはあのウォン・カーウェイの名作『恋する惑星』のオマージュなのです。こちら監督もはっきりと名言しています。
いやぁみどりはこの『恋する惑星』の大ファンでしてねぇ。『WAVES/ウェイブス』鑑賞中細胞レベルでビクっとなったわけですよ(笑)
そしてそして本作ではこの前半と後半でアスペクト比(画面の縦横の割合)が変わりますのでココにも注目してみて下さい。
世界の広がりというテーマを盛り込んだらしいです。
ルークの純朴さが堪らない
このルークというエミリーに想いをよせる青年がいい味出してましてねぇ。凄くいいヤツなんですけど、どことなく不器用。親しみやすさの極みといった男なんですけれども、家庭環境は恵まれてない。でもそれを理由にグレる事もない。
こんな男を彼氏にしたら、その女性の将来は約束されたものですよ!
と、観るものにここまでの印象を抱かせるのも、後半の「再生パート」で登場する恋人役のルークという男なんです。前半のアレクシスも悪い女性ではないのですが、この自然なコントラストは監督の手腕から出る賜物だと思いました。
あの初めてエミリーをデートに誘うシーンは個人的ベストショット!
まとめと総評
“ミュージカルを超えたプレイリストムービー!”
というのが本作の宣伝文句でしたが、そこそこ洋楽を聞くみどりにはそんなに音楽が全面に出ている感じはしませんでしたよ。
なので音楽にそこまで詳しくない方でも十分楽しめる事間違いなし!
そしてこの音楽ですが、曲の好みって人それぞれですからねぇ。パンフレットに監督が何故この曲をこのシーンで使ったのかという4ページに渡って1曲ごとにかなり詳細に記述されていましたが、何せ使用楽曲の半分以上を知らないみどりにはあまり響かなかったと…。
テイストが合わないと言われればそれまでなんですけどね。
こちらよりかはタランティーノ作品やロバート・ロドリゲス作品で使用されている楽曲の方がみどりは好きです。
さて、評価のほどは、、、
☆☆☆
うん、A24ですから!
でも少しハードル上げすぎた感はありますね…。
宣伝文句にあった「一生に一度の傑作!」てのはやりすぎかと。
恋愛ものでは既に神話級の名作。
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