テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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自分の境遇と照らし合わせて…『フェアウェル』感想と見どころ

フェアウェル

原題:The Farewell

2019年 アメリカ

監督:ルル・ワイン

上映時間:100分

鑑賞日:2020/10/10

劇場:TOHOシネマズ海老名

 

 

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 こんにちは!支配人のみどりです。

実はみどりは10歳の頃に母と死別しております。原因は癌でした。

幼いみどりはなんらかの病気に母はかかってはいるけど、いつか必ず退院してまた家族一緒に暮らせる日が来ると信じていました。

しかしその願いは叶わず母は天国へと旅立ったのです。

確かあれは母のお葬式の日だったと思います。親族から、母は初めから余命宣告を受けていたらしく、治る見込みのない末期癌にかかっていた事を聞いたのでした。

もうその時のショックったら筆舌に尽くしがたい…。なぜ本当の事を教えてくれなかったのかとね。

周りは良かれと思って(みどりを悲しませない為)の行為だったのかもしれませんが、みどりにとっては何も良くない!

もっと親孝行したかったですし、もっと側にいてあげたかった。

当時のみどりはわんぱく盛りで、病院の暗い雰囲気が苦手でした。父と母のお見舞いに行ってもすぐに帰りたがっていたのを覚えています。

だって本当の事を知らず、治る病気に今はかかっているだけだからと頑なに信じていたのでねぇ。

とまあこういう古いエピソードを想起させる作品が『フェアウェル』。

第77回ゴールデングローブ賞受賞作品でございます。

ではあらすじから!

 

 

あらすじ

ニューヨークに暮らすビリー(オークワフィナ)は落ち込んでいた。憧れの学芸員を目指して、グッゲンハイム美術館に応募したのだが、届いたのは不採用通知だったからだ。そんな時も、遠く離れた中国で暮らす祖母ナイナイ(チャオ・シュウチュン)の優しい声を聞けば、元気が湧いてくる。

ある日、近くに住む両親を訪ねると父ハイヤン(ツィ・マー)の様子がおかしい。何かあったのかと母ルー・ジアン(ダイアナ・リン)を問い詰めると、ナイナイが肺がんの末期だと診断され、余命3ヶ月と宣告されたという。

親戚一同はナイナイに会う口実として、ビリーのいとこであるハオの結婚式を中国で挙げることにしたが、感情を隠せないビリーは出席するなと言われてしまう…。

 

 

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本作のパンフレット。温もりが伝わってくる素敵な写真です。

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主要キャスト

ビリー:オークワフィナ

中国生まれだが6歳で両親とアメリカに渡ってきた。精神的にはすっかりアメリカンナイズされていて、英語の方が得意。根っからのおばあちゃん子。

 

ナイナイ:チャオ・シュウチュン

肺がんを患っていて余命宣告を受ける。毎朝の太極拳は欠かさない。

 

ハイヤン:ツィ・マー

ビリーの父。ナイナイに親戚一同最後のお別れをさせる為に嘘の結婚式の企画をする。

 

 

見どころ

当人に言うか?言わないか?

これって本当に永遠のテーマだと思うんですよ。

東洋の文化では患者に内緒にしておく。そして西洋の文化ではハッキリと言う。

このビリーが血は中国人でも、中身はアメリカ人というのがポイントでこの葛藤に揺れるシーンが随所に描かれています。

みどりが一番刺さった台詞は、ハイヤンの兄弟がビリーを諭すシーン

「お前が育った西洋では個人の命はその個人のモノ。だけどな、東洋では個人の命は家族の一部なんだよ!」

文化の違いを決定付けるパワーシーンだったと思います。

 

 

まとめと総評

冒頭で、

これは真実の”嘘”にもとづいた物語

とテロップが出てきて、劇中『スティング』さながらの<優しい騙し>をみんなでバタバタと展開させるのかと思いきや、全体的にふわっと描かれていました。

悪く言ってしまうとエンタメ要素はあまり無く、些か冗長的とも言える展開でしたね。

不治の病を巡っての西と東の文化の違い。このテーマをリアルに描いているのが本作の鑑賞意義だと思いました。

 

幼いみどりに母の病気を知らせなかった事、これも東洋人としての気持ちの表れだったんでしょうか。

 

 

そしてそして本作のラストは、評価がはっきり分かれるでしょうねぇ…。

という訳で本作の評価は、、、

 

☆☆☆

 

とにかくみどりは癌がすぐに治ってしまう世界を望みます。

 

 

ビリー役のオークワフィナの過去作品といえばコチラ ↓

女子のみのオーシャンズシリーズも悪くなかったですね!

 
 
 

 

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