スキャンダル:(原題)BOMBSHELL
2019年 アメリカ カナダ
監督:ジェイ・ローチ
鑑賞日:2020/2/22
劇場:TOHOシネマズ海老名
正に時代はハラスメントの時代。パワハラ、モラハラ、ドリハラ、おまけに血液型まで関与するブラハラなんて言葉も飛び交う昨今ですが、とりわけセクハラが一番メジャーで歴史が深い存在なのではないでしょうか。
説明不要の言葉ですが、以前みどりが勤めていた会社は、外資系ということもあってかなり昔からこの件はナーバスになっていました。セクハラにおける定義まで社内報で配布されていて、「あれ?髪切った?」という言葉までセクハラに抵触するので注意するように言われてましたね。
今回の作品はそんなセクハラ問題がテーマになっていまして、実話を元にした作品。
劇中冒頭に『本作は実話に脚色を加えたストーリーとなっている』という丁寧なテロップも流れます。
まずはあらすじを、
あらすじ
時は2016年、FOXニュースで働く3人の女性が、それぞれの嵐を起こそうとしていた。
FOXニュースのトップに君臨するキャスターのメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)は、共和党の大統領候補が有権者にアピールする討論会の進行役を務める。その時アメリカ全土はトランプに振り回されていて、メーガンは容赦なくトランプの女性蔑視発言を追求。しかし、激怒したトランプはこの日から執拗にメーガンへの罵詈雑言をツイートするようになる。
朝のニュースの顔として活躍してきたが、2年前に昼の番組に降格されたベテランキャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)は、自分がなぜ冷遇されたのかわかっていた。以前CEOのロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)から迫られた性的関係を拒絶したからだ。
スターキャスターを目指す、野心にあふれたケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)はグレッチェンの元で働いていたが、彼女に内緒で副社長にお願いし、局で最高視聴率を稼ぐビル・オライリーの番組に抜擢される。だが、喜びもつかの間、初日からビルに否定されてしまう。
予想に反して、アメリカ全土はトランプへの支持が拡大。世論の抗議の目はメーガンに集中し命の危険も感じるようになる。
ケイラは出世を諦めきれず、ロジャーに直談判をしに行くが、かけられた言葉は「スカートを上げて、もっと脚を見せろ」。
2016年7月6日、世界に衝撃が走る。
グレッチェンがロジャーをセクハラで訴えたのだ。
その報道で社内は蜂の巣をつついたような騒ぎに。そしてトランプと和解しようとしていたメーガンも、過去の忌まわしい記憶を蘇らせようとしていた。
主要キャスト
メーガン・ケリー:シャーリーズ・セロン
FOXニュースのトップキャスター。トランプと1年にも渡り戦ってきたが最終的には和解。
彼女も過去にロジャーからセクハラを受けていた。
グレッチェン・カールソン:ニコール・キッドマン
ロジャーとの性交渉を拒絶したのをきっかけに、低視聴率の番組に異動させられた過去を持つ。ロジャーをセクハラで告訴すると決意した時は、弁護士から考えなおすように説得された。
ケイラ・ポスピシル:マーゴット・ロビー
若く野心にあふれたキャスター。FOXに出ることは長年の夢であったが、現実を垣間見て愕然とする。因みに彼女は架空の人物である。
ロジャー・エイルズ:ジョン・リスゴー
FOXのCEO。常に自室でチャンネルを監視。本番中でも気に食わないと、現場へ激を飛ばす。肥満で頭髪も寂しい初老の男性だが、見た目には人一倍気を遣う。
見どころ
これが特殊メイク!?
日本が誇る世界的メイクアップアーティストのカズ・ヒロさんの功績で、本作は第92回アカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しましたね。
一見、普通のキャリアウーマン風でもあり、特筆すべき点は無いのかと思いきや、シャーリーズ・セロンのメーガン、グレッチェン・カールソンのニコール・キッドマンはご本人そっくり!
特にシャーリーズ・セロンは3Dプリンターで作成した鼻栓を装着されていたそうです。全く違和感が無いんですよ。いや言われないと絶対に解んないですね。
あと、登場人物のファッションにも注目です。みどりはグレッチェン・カールソンの鮮やかな色のスーツが好み。
脇を固める俳優陣に隠れファンが多いはず!
ケイラと親密な関係になってしまうジェス・カーを演じたのはケイト・マッキノン。「イエスタデイ」とリブート版の「ゴースト・バスターズ」は好演でした。
ロジャー・エイルズの奥様役なのはコニー・ブリットン「アメリカン・ホラー・ストーリー 呪いの館」でファンになりました。ご無沙汰しております!
物語の最終局面を左右したルバート・マードックはマルコム・マクダウェルが。「時計じかけのオレンジ」のあのアレックス役の方です。もっとご無沙汰しております!
まとめと総評
この出来事の後の2017年10月、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによるセクハラ騒動が「ニューヨーク・タイムズ」に報じられて「#Me Too」運動拡大のきっかけとなりました。本作の原題は「BOMBSHELL」ストレートに「爆弾」という意味の単語で、#Me Too運動爆発への爆弾だったと理解しました。
映画そのものを客観的に観てしまうと、個人的にはあんまりハネなかったですな…。
少しはこの一件について予習しておけばもっと楽しめたと思うのですが、作品冒頭で『実話に少しだけ脚色してまっせ』と宣言され、ケイラという架空の人物まで登場させるのであればもう少しエンタメ色を出しても良かったのではないかと。
物語の起伏さを感じることが出来ず、ぼんやりしたままエンディングに向かった感じがしました。
そこで☆の数をどうしようか迷ったのですが、近々のシスターフッド作品で「ハスラーズ」と比較するとみどりは「ハスラーズ」の方が面白かったです。
だけどアチラも☆は2つとそこまで高評価ではなく、かと言って本作に☆1つって感じでもなかったと。
迷いに迷った挙句、やはりキャスティングの妙も評価したいという事で、
☆☆
女性が観ればもっと面白く、ことの顛末を予習しておけばさらに面白い作品なことは間違いないです。
予告編でさんざん流れていたビリー・アイリッシュの「bad guy」はこちらに収録。
”ダァ”の部分をマネする人急増中!! ↓
オリジナルサントラはこちら。繰り返しますが、ビリー・アイリッシュの「bad guy」は収録されていません。 ↓
コニー・ブリットンといえばこちら!
新シーズンが待ち遠しいですなぁ↓