テアトルみどり座

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実は鳥の名前なんです『ナイチンゲール』感想と見どころ

ナイチンゲール

原題:THE NIGHTINGALE

2018年 オーストラリア カナダ アメリカ合作

監督:ジェミファー・ケント

上映時間:136分

鑑賞日:2020/6/6

劇場:シネマ・ジャック&ベティ

 

 

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 『拷問男』の記事でも書きましたが、みどりはオースラリアでの滞在経験がありまして、豪州の文化や生活様式はそこそこ知っているつもりであります。

滞在中、先住民族のアボリジニの方を見かける事も勿論ありまして、その当時は年齢も若かったせいかさほど気にする事もなかったんですね。

一度折に触れてアボリジニの歴史を学んでみようとしましたが、初めに取った書物が不運にもかなりフィクションまがいに書かれたもので、それ以来この知的好奇心は消え失せてしまいました(笑)

ここに来てようやくコロナ禍からの劇場復活第一弾に選んだ作品は、そんなみどりの消え失せた知的好奇心を再燃させる(のか?)『ナイチンゲール』。

ではあらすじからどうぞ、

 

 

あらすじ

19世紀、オーストラリアのタスマニア地方。些細な盗みを働き流刑囚となったアイルランド人のクレアは、その美しい容姿と歌声から、一帯を支配する英国軍将校ホーキンスに囲われていた。クレアの夫エイデンは、彼女が刑期を終えた後も釈放されることなく、拘束されていることについて不満を持ち、ホーキンスに交渉を試みる。しかし、逆上したホーキンスはクレアを仲間たちと凌辱した挙句、彼女の目の前でエイデンと子供を殺害してしまう。

尊厳を踏みにじられ、愛するもの達を奪われたクレアは、復讐の炎を燃やすのであった…。

 

 

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本作のパンフ。600円の価格にしては内容充実!

主要キャスト

クレア:アイスリング・フランシオシ

アイルランド西部ゴールウェイ生まれの21歳。ホーキンス中尉の年季奉公人。ホーキンスからの性的虐待は慢性化していたが、彼から精神的にも支配されて夫に真実を打ち明ける事ができなかった。

 

ホーキンス:サム・クラフリン

彼は下位中級の中尉であり、望んでいる大尉の位には昇格できない。抑制できない野心の持ち主。

 

ビリー:バイカリ・ガナンバル

復讐のためクレアが雇ったガイド。初めはお互いそりが合わない関係だったが、クレアの事情を理解していくと、徐々に心を開いていく。

 

 

見どころ

洗練された時代考証

英国植民地時代のオーストラリアが舞台の本作。先住民のアボリジニを迫害して、女性は男性よりも劣っていると認識された時代でした。

その頃のオーストラリアは8割が男性で、流刑囚のクレアのような女性達が受けた屈辱は計り知れないです。

ホーキンスを初め彼の取り巻きの連中を見ればこの時代の男性が、如何に下衆で非人道的な獣だったのか容易に解ると思いますよ。

 

クレアとビリーの関係

未開拓の地が多かったタスマニアでは、原住民のガイド無しでは険しい荒野を生き残る術はありません。「野蛮」だと思っていたアボリジニのビリーを半信半疑で雇うクレア、過去の忌まわしい体験から白人女性を信用できないビリーの心情の変化が物語をより深いものに仕上げています。

 

 

感想と見どころ

19世紀の英国植民地時代という時代背景を元に作られた復讐劇。一応このような時代背景を基本知識として鑑賞すればより楽しめる作品かと。

宣伝文句には「過激な内容とバイオレンス描写」等の物騒なワードが並んでおりますが、そこまでのゴア表現はあまり無いです。しかし、精神グロが満載なのは確かで、それらに耐性が無い方にはお勧めできないですかねぇ。

物語のキーは復讐劇ではありますが、クレアとビリーの心境の変化に注目して頂きたいです。

怒りの矛先はどこに向かうのか?彼らの良心の葛藤における心境の変化はとてもスリリングに描かれています。

そんな訳で本作の評価は、、、

 

☆☆☆

 

あ、最後に本作のタイトルですが、「ナイチンゲール」とはあの伝説の看護婦のフローレンス・ナイチンゲールではなくて鳥の名前、「サヨナキドリ」の事です。

英国軍人達がクレアの事をこの鳥のように思っていた事に由来されているんですな。

 

 

 
 
 

 

 
似たような精神汚染をかましてくれる名作。 
二回は観れませんな…  ↓
 

 

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