テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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太陽に照らされた狂気を召し上がれ『ミッドサマー』感想と見どころ

ミッドサマー:(原題)MIDSOMMAR

2019年 アメリカ

監督:アリ・アスター

上映時間:147分

鑑賞日:2020/2/23

劇場:TOHOシネマズ海老名

 

 

 公開前から何かと話題になっていた本作。くだんのポスターを見る限りまさかホラー映画だとは思わず、スルーするところでしたよ。

調べてみると、前作の「ヘレディタリー/継承」が凄い評価が高かったとの事。

これを見逃していた支配人みどりはまだまだですなぁ…

 

正直ホラーは3~4年前からネタの枯渇感が強くて、ノーマークになる事が多かったです。

最後に衝撃を受けたのは何だったか回想してみると「セルビアン・フィルム」か「ムカデ人間」か、いずれも10年も前になるんですね。

 

ホラー映画の定番の一つ「闇」。この真逆の世界を彩った明るい、炎天下の中の狂気といえばいいでしょうか。とにかく観て良かったです。

しっかりゴア表現もあり、映像がおしゃれ。追いかけたくなる監督さんがまた一人増えました!

とりあえずあらすじからどうぞ。

 

 

あらすじ

ダニー・アーダー(フローレンス・ピュー)は恋人クリスチャン(ジャック・レイナー)と破局寸前の関係であった。ある夜、双極性障害の妹から、

「もう耐えられない。パパとママも一緒に行く。さようなら」

という不吉なメールを受け取る。

これによってダニーの不安は広がっていくが、クリスチャンに電話をしてもまともに取り合ってくれない。

ダニーの嫌な予感は的中。妹は一家心中を図っていた。一瞬で天涯孤独となったダニー。

絶望感に苛まれて眠れなくなる。そこでクリスチャンと無理にパーティーに出かけ、彼の男友達と出会う。その中の一人、スウェーデンの交換留学生のペレ(ヴィルヘルム・ブロングレン)の故郷で夏至(ミッドサマー)の祝祭に出かける事を知る。

実はクリスチャンは男友達と旅先でハメを外す事が目的で、正直彼女には来てもらいたくない。しかしこのことを知らされていなかったダニーはまた精神が不安定になり、「仕方なく」彼女も付いて行くこととなった。

そこは、1日中ほとんど太陽が沈まない白夜の地。木で作られた美しいアーチをくぐると、楽園のような村「ホルガ」にたどり着く。村人に歓迎されるダニー達。しかし次第に不穏な空気が流れ始め、想像を絶する悪夢が始まろうとしていた。

 

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↑パンフは装飾、フォントデザインともにすっごい好み!


 

主要キャスト

ダニー・アーダー:フローレンス・ピュー

クリスチャンの彼女。元から精神が不安定で、家族の不幸により拍車がかかる。

クリスチャンの男友達からは「頭のおかしい女」と揶揄されている。

 

クリスチャン:ジャック・レイナー

ダニーの彼氏。関係は破局寸前で、半ば情で付き合っている。

 

マーク:ウィル・ポールター

クリスチャンの友人。ダニーを一番煙たく感じている。

 

ジョシュ:ウィリアム・ジャクソン・ハーパー

クリスチャンの友人。文化人類学の論文作成の為が今回の旅の目的。論文作成の素材をめぐりクリスチャンと衝突する。

 

ペレ:ヴィルヘルム・ブロングレン

スウェーデンの交換留学生。彼のつてでホルガにたどり着いた。気持ちが不安定なダニーを優しく窘める。

 

 

 

見どころ

全ての「絵」に注目!

劇中無数の絵が写し出されるのですが、とにかく全てに注目してください。いかにもな感じで画面に登場するものから、よく見ないと見逃すモノまで。

特に序盤、ダニーのお部屋に飾ってある絵にも注意が必要です。

大変ですが、作品を深く理解するためにも頑張って下さい!

 

青空でも怖いものは怖い…

もうここまで来ると「闇」なんて関係ないですね。逆に太陽光に照らし出された狂気が、終始が言いようの無い不安感を醸しだしているんですよ。美しい花々もなんか邪悪なモノに見えてしまう。

そして一歩間違えてしまうと不条理コントのワンシーンみたいな装飾も、ギリギリのラインで保っていて、観客の不安感はエンディングまでキッチリ維持されています。

クライマックスのダニーの衣装は、そういう感想を持つ人も多数いらっしゃるはずです。

 

まとめと総評

本作はアリ・アスター監督の失恋エピソードを元に作られたとの事。ラブラブを表す青空と、その中でうごめく二人の関係における不安…と言われても、こんな作品を作り出す監督のセンスは空恐ろしさすら感じてしまいます。

IT関連の企業に勤めるみどりの友人の上司は、極度のストレスを感じると、無心でアプリを作ってしまうそうです。その会社のヒット作品は、その上司の気持ちが作り出した逸品と話していました。そういう負の経験を糧にして、何も無いところから作品を生み出す才能を持つ人は素直に羨ましく感じてしまいます。

そしてそして、近年みどりが注目しているマーク役のウィル・ポールターも相変わらずいい味出していました。「デトロイト」で観る者全てに怒りを植え付けた彼です。

眉毛がいいんですよ彼は

そんなこんなで評価は、

 

☆☆☆

 

宣伝文句に「恋人と鑑賞しない方がいい」とありましたが、みどりの意見は真逆!

是非ともデートに選びたい1本。女性客も多数いらっしゃいましたしね。

その後の展開に何が起きても責任は取れませんが…。

 

 

全国の劇場で売り切れを多数目撃されている本作のパンフ。

小林真理さんの「完全解析」を読めば、2度観する必要が無いくらい詳しく書かれています↓

 

アリ・アスター監督のデビュー作。みどりの観るリスト最優先項目に入れる事にします。↓

 
ウィル・ポールターといえばコチラ!
もう側にいたら怒りで手が出てしまいそうな迫真の演技に注目です。↓
 
 

 

 

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