ミッドナイトスワン
2020年 日本
監督:内田英治
上映時間:124分
鑑賞日:2020/9/26
劇場:イオンシネマ茅ヶ崎
あけましておめでとうございます!
本年も当ブログ『テアトルみどり座』をどうぞよろしくお願い申し上げます。
支配人のみどりは筆が遅いため、旧年の更新頻度に陰りがありましたが本年は出来る限りペースを上げていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
という訳で、まだ2020年に鑑賞した作品を全てアップできていないため些か古めの作品からスタートいたしますがご容赦下さい。
しかし本作は2021/1/3現在でkino cinema横浜みなとみらいで鑑賞可能!
ロングランの公開となっておりますので、興味を持たれた方は是非劇場へ足をお運びくださいませ!
では早速あらすじからどうぞ!
あらすじ
新宿のニューハーフクラブのステージに立つ、トランスジェンダーの凪沙(草彅剛)。ある日、故郷の母から電話がかかってくる。その内容は、いとこの早織(水川あさみ)の娘、一果(服部樹咲)を預かって欲しいという。一果は育児放棄にあっていた。
凪沙は性転換手術を受けるためお金が必要だった。養育費目当てで母の依頼をうける事に。常に片隅に追いやられてきた凪沙と、孤独の中で生きてきた一果。理解しあえるはずもない二人が出会った時、かつてなかった感情が芽生え始める。
↑ 本作のパンフレットは電子版のみの販売となっています。
主要キャスト
凪沙:草彅剛
自分の性別に違和感を抱いたのは小学生の水泳の時間。それ以来ずっとトランスジェンダーとして生きてきた。性転換手術を受ける為に貯金をしているが、定期的に受けるホルモン注射の費用もかかるため思うように目標までたどり着かない。
一果:服部樹咲
母早織から育児放棄を受けている。独学でバレエの基礎を身につけた。
心の傷からあまり感情を表に出さない。自傷癖がある。
早織:水川あさみ
キャバクラで働くシングルマザー。凪沙のいとこで一果の母。店で泥酔しては一果に辛くあたる。
洋子ママ:田口トモロヲ
凪沙が働く「スイートピー」のママ。凪沙達のよき理解者。
見どころ
これが現代日本のLGBTをとりまく環境だ!
恐らく本作を鑑賞した今ではニューハーフ及びオカマの方を茶化して笑う事が出来ないでしょうね。劇中に出てくるニューハーフクラブには行った事ないですが...。
むしろ
「今まで大変だったね」
と抱きしめてしまいそうですよ。
それくらいこの日本ではまだまだトランスジェンダーの方への理解が乏しいとこの映画では訴えています!
凪沙が一般の会社へ面接するシーンや、スイートピーに飲みにくる下衆なお客の言動。
どれもが解っているつもりになっている人間にブスリと刺さってきます。
作品から出てくる波動は強め…。
凪沙と一果の心が触れ合っていく様は種から咲き誇る花の成長を見ているようで、とても美しいのですがとにかく二人の周りをとりまく状況が厳し過ぎる!
それを包み隠さず鮮明に描く内田監督の技術は素晴らしいです。
これは決して酷評ではないのですが、恐らくみどりは本作を再度観る事はないでしょう。
観るのならあと数年経ってからがいいです…。
まとめと総評
素晴らしいのに二回目が観られない作品て無いですか?
かく言うみどりは、『火垂るの墓』、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、『ミリオンダラー・ベイビー』などは二回目が観られないでいます。
こう辛くなってしまうんですよねぇ。
そして今回は珍しく、原作の小説も読んでみました。こちら著者は内田監督ご自身で、映画版とはラストシーンが違うのです。みどりは映画版のが好きですねぇ。
映画版では描かれなかったシーンも所々ありまして、一果に最初にバレエを教えたギエム先生の存在や、凪沙の先輩純也とのふれあいも詳しく書かれていますので映画を観た後でも面白く読めましたよ!
という訳で今回の評価は、、、
☆☆☆☆
スタッフロール後にファイナルショットが用意されていますので、途中退席は厳禁です!
原作版も映画版には無いシーンが多め!
みどりは映画版とは全く違う箇所で泣いてしまいましたよ ↓