ロングデイズ・ジャーニー この世の涯て
原題:地球最后的夜晩
2018年 中国 フランス
監督:ビー・ガン
上映時間:138分
鑑賞日:2020/4/4
劇場:シネマジャック&ベティ


やっとコロナの影響も弱まってきて、劇場の営業が各地で再会されてきましたね。
まだまだ油断は禁物ですが、出来る限りの感染予防を行いながら社会活動を遂行していきたいと思います。
当ブログ支配人のみどりも映画館に行けずに悶々とした日常を送っておりました。
本職の仕事も月の大半は自宅待機という始末。ならばこういう時間を有効に使おうと最初にしたのはゲーム『龍が如く』。
実はこのシリーズ、4年ほどご無沙汰しておりまして、その間にリリースされた『北斗が如く』『ジャッジアイズ 死神の遺言』『龍が如く極み2』『龍が如く7』と4タイトルが未プレイだったのですよ。
ならばこの自粛期間に全てやり、かつその後、読みたかった本を読んだり、未見の映画を観たりする予定だったのですが、
ゲームだけで自粛期間が終了してしまいました…
いやぁこれは予想外、特に『龍が如く7』においては久々の総プレイ時間100時間越えの大作でしたよ!映画1作品が2時間とすると実に50本分!
え~と、後悔したかというと全くそんな感じはありません。
なぜなら実に面白かったから。
はい…後悔は、、しておりません…。
まぁひと月振りの更新で、みどりの近況報告はこのくらいにして、今回ご紹介する作品は26歳の中国の新星ビー・ガン監督の『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯て』でございます。
この作品に惹かれた理由は、本編途中から3Dに切り替わるという画期的な試みにあります。そしてその3Dパートは正真正銘のワンカットというね。
しかしですね、上映された時期がちょうどコロナの影響が色濃くなってきた時なので、3Dメガネの貸し出しが困難になってきたのですな。
地元の劇場ではやむを得ず2D上映にて公開されていたので、みどりも泣く泣く2Dで鑑賞してきました。それでも十分楽しめたので今後機会があれば3D版も鑑賞したいと思いまする。
鑑賞した率直な感想は、久しぶりに超難解な作品を観ました…
ではあらすじから、
あらすじ
ルオ・ホンウ(ホアン・ジエ)は、何年もの間距離を置いてきた故郷・凱里へ、父の死を機に帰還する。
そこで幼馴染みの白猫(リー・ホンチー)の死を思い起こすと同時に、彼の心をずっと捉えて離れることのなかった、ある女のイメージが付き纏った。
彼女は自分の名を、香港の有名女優と同じワン・チーウェン(タン・ウェイ)だと言った。
ルオはその女の面影を追って、現実と記憶と夢が交錯するミステリアスな旅に出る…。
主要キャスト
ルオ・ホンウ:ホアン・ジエ
帰郷してワンに出会い、そしてとある寂れた映画館で彼の記憶の旅に出る。
ワン・チーウェン/カイチン:タン・ウェイ
ルオの前に現れた美女。彼女は実在する女性なのか否か…?
白猫:リー・ホンチー
ルオの幼馴染み。
白猫の母親/赤毛の女:シルヴィア・チャン
ルオの夢の中に現れる女性。
見どころ
ワンカットシークエンスの導入部
本作のウリであるワンカットシークエンス、こちらは後半の60分から始まります。
映画館の席に着いたルオが3Dメガネを装着するのを合図に、現実の観客である我々も3Dメガネを付けるというね。
今年『1917 命をかけた伝令』でもワンカットが話題になりましたが、こちらはあくまで「ワンカットに見える」という撮影方法で、「ロングデイズ・ジャーニー」では本当のワンカットで撮影されています。
途中卓球をしたり、本物の馬が暴れたりとにかくNGが許されないのに、NGが簡単に出てしまいそうな演出が盛り込まれているのは本当に見応えがあります。
みどりが一番好きなシーンはこのシークエンスの導入部。実はこのパートはルオの夢の世界なのです。その夢の世界にルオはゴンドラに乗ってゆっくり堕ちていくのですが、これが本当に素晴らしかった!あまりファンタジーにならず、現実世界なのか非現実なのか境をぼやけさす描写がクセになりますよ。
まるでPVの世界
本作は抒情的な詩を映像化したようなシーンが数多く含んでおりまして、ネタバレになるので詳細は割愛しますが、代表的なところで、、
・揺れるコップ
・泣きながら食べるリンゴ
この2シーンは要注目ですぞ!監督のセンスが爆発しておりますので。
まとめと総評
冒頭でも書きましたが、本作はとっても難解です。
鑑賞の際は、すっきりした頭で挑んで下さい。
でも何故か中毒性があるのですよ。
著名人のレヴューを見ますとヒッチコックの「めまい」やデヴィッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」を例えとして挙げておられますね。
こう、我々が何か想いを持ちながら眠りにつく時に、夢の世界に段々と入り込んでいくイメージ。それを見事に映像化されたのが本作だと思います。
3Dで鑑賞したらまた違った印象を受けそうですね。
そんな訳で今回の評価は、、、、
☆☆☆
解んないのに面白い!解んないのにまた観たくなる!
そんな不思議な作品でした。
巨匠ヒッチコックの傑作の一つ。
常に浮遊している感がある、ある意味気持ちいい作品です↓