ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語
原題:Little Women
2019年 アメリカ
監督:グレタ・ガーウィグ
上映時間:135分
鑑賞日:2020/7/2
劇場:109シネマズ湘南
「オマエは家で『若草物語』でも読んでろ!」
何の映画かドラマかアニメかのシーンかは忘れましたが、何故かこの台詞が実に印象に残っています。
こんにちは!支配人のみどりです。
タイトルこそは随分前から知ってはいるものの、いかんせんどういうお話かはてんで存じない物語シリーズの『若草物語』。
『若草物語』は1868年にルイーザ・メイ・オルコットというアメリカの小説家が書き上げた自伝的小説でして、少なくとも世界55ヶ国語以上に翻訳されていて、驚くべきはその間一度も絶版になってないという事。それだけ長期に渡って世界中で愛されている小説なんですなぁ。
当初全く観る予定が無かったのですが、この作品ちょうどコロナによる劇場休館の狭間に封切られた作品でして、既に鑑賞された方がレビューを投稿するもその直後に休館になった為、まだ観ていない人が鑑賞を検討するのに十分な時間が与えられていたという稀有な作品となったのです。
そのレビューがまぁどれも評価の高いこと。
みどりもこの評価なら観ても損はないなと今回鑑賞してきた次第でしてね、一体どんなお話なのか知的好奇心も湧きましたので劇場再開後、早速観てきましたよ。
あらすじ
ジョー(シアーシャ・ローナン)はマーチ家の個性豊かな四姉妹の次女。情熱家で自分をまげられないため周りとぶつかりながら、小説家を目指して執筆に励む日々を送っている。
控えめで美しい姉メグ(エマ・ワトソン)を慕い、姉には女優の才能があると信じるが、彼女が望むのは幸せな結婚。また心優しいベス(エリザ・スカンレン)を我が子のように溺愛するも彼女が立ち向かうのは病という大きな壁。そしてジョーと喧嘩が絶えない末っ子のエイミー(フローレンス・ピュー)は彼女の信じる形で家族の幸せを追い求めていた。
主要キャスト
ジョー・マーチ:シアーシャ・ローナン
マーチ家の次女。小説家を目指している。
物語は彼女の視点で構成されている。
メグ・マーチ:エマ・ワトソン
マーチ家の長女。姉妹の中でも最も伝統的な母親らしさを持っている。
一番最初に結婚したが、生活は貧困を極めた。
ベス・マーチ:エリザ・スカンレン
マーチ家の三女。一番内向的で病弱だが、音楽を愛し穏やかな情熱を持っている。
エイミー・マーチ:フローレンス・ピュー
マーチ家の四女。いたずらっ子で恋愛やお金持ちに憧れている。
伯母の影響を大きく受ける。
見どころ
女子力満載の作りこみ。
19世紀の物語ではありますが、仮に現代劇でやっても違和感なく通用するでしょう。
四姉妹の会話がとっても乙女チックでいいのです。
特にみどりのお気に入りのシーンはメグの結婚が決まった時のジョーとの会話、
ジョー「あぁ…少女時代が終わってしまう…。」
メグ「そうだけど…、誰でも最後はハッピーエンドよ」
ずっと四人で仲睦まじく過ごしていた所に、姉が嫁ぐ。それは『姉』から『人妻』へ、そして『母親』へ変革するのをジョーが憂いているシーンです。
そしてまたメグの返しがいいですよね!
未来への明るい展望を凝縮された素晴らしい台詞です。
さすがの衣装でした
本作は第92回アカデミー衣装章を受章。登場人物の衣装素敵でした。
白眉だったのはやはり本作の象徴的なシーンであるジョーの衣装。
特にあのポスターにもなった颯爽と街を走るシーンの衣装。
当時の女性はコルセットでぎっちり腰を固められて、フリフリのスカート(表現古!)が一般的であんなに軽快に走る事は不可能らしいのですが、物語の構成上、あえてあの動きやすい衣装にされたとの事。
ジョーの活発な性格も衣装で表現されているわけです。
まとめと総評
時代的に女性の地位がそこまで高くなかった時代。
彼女達は自分の理想像を各々持っていて、それに邁進する物語。
ずっとタイトルだけ知っていた『若草物語』とはそういうお話でした。
一応恋愛要素も含まれているのですが、そこまで全面に押し出す事もなかったのも好印象でしたよ。
ジョーの恋愛パートに対する印象は割れそうですがね…。
そして評価は、、、
☆☆☆☆
全ての女性に観て頂きたい傑作でした。
そして男性も本作を観れば「女心」というものをグッと理解できると思います!
映画版としては一つ前の作品。
ウィノナ・ライダーが主演でしたな。 ↓