生きちゃった
2020年 日本
監督:石井裕也
上映時間:91分
鑑賞日:2020/11/7
劇場:kino chinema横浜みなとみらい
こんにちは!支配人のみどりです。
みどりは仲野太賀くんの大ファンでして。確か初めて彼の演技を見たのはクドカン作品の『ゆとりですがなにか』でしたね。あのモンスター社員の役を見た時に一気に惚れ込みましたよ。
ご存知彼は中野英雄さんのご子息。中野英雄といえば、
「キムラ!帰ろう!」
でお馴染み北野監督の『アウトレイジシリーズ』でバツの刃傷をこしらえた木村役が印象的でした。
親子で芝居のスタイルは違いますが、やっぱりDNAって大事なんだなと思ってみたり…。
結構ぶっ飛んだ、ともすれば行き過ぎた理不尽さも兼ね備えていますが、彼の場合それが“嫌味”にならないところが凄いなと感じます。
そんなぶっ飛んだ演技がトレーラーで流れてきた本作『生きちゃった』。
若葉竜也と二人で顔をぐしゃぐしゃにしながら泣いているあのシーン、一体何があったのか気にならない方がおかしいかと(笑)
その原因を探るべく鑑賞してきました。
まずはあらすじから、
あ!そのまえに一応下に予告編は貼っておきますが、
この動画を観ないで本編を観た方がより楽しめます!
あらすじ
山田厚久(仲野太賀)と武田泰(若葉竜也)は幼馴染み。ふたりは共にビジネスを立ち上げる事を夢見て、中国語と英語を習いに行っている。
アパートに戻ると同じく二人の幼馴染み奈津美(大島優子)が二人を迎え入れる。
厚久と奈津美は夫婦で一人の娘がいる。
ある日、厚久は勤務先で急なめまいと耳鳴りに襲われてしまう。上司に許可を得て早退する厚久。
アパートに帰ると奈津美が見知らぬ男と不貞を働いていた…。
主要キャスト
山田厚久:仲野太賀
泰と奈津美とは高校時代からの親友。現在はインターネットの古本販売会社に勤めている。
武田泰:若葉竜也
厚久の親友であり良き理解者。時には厚久のことを思い、声を荒げる事もある。
山田奈津美:大島優子
厚久の妻。人並の幸せを手に入れたが、どことなく厚久に物足りなさを感じている。
見どころ
心を鷲掴みにされる3人の演技
トレーラーで流れるあの二人の泣く演技。もう狂気すら感じる迫真のシーンですよね。
くどいようですが、このシーンを観ないで本編を観た方がよりグッときますよ!
それと大島優子の絶叫シーンね。なぜ絶叫するのかネタバレになるので詳細は控えますが、あの絶叫には複数の意味があるとみどりは解釈しています。
一つは恐怖の意味。
それともう一つは今までの後悔にも似た自分に対する叫び。
これは意見が分かれそうですが、是非皆さんも考えて頂きたいです!
あと大島優子ですと情事のシーンも忘れてはいけません。
彼女があんな色欲にまみれたオンナを演じる事を『マジすか学園』に出演していた時に誰が予想できたでしょうか。
まとめと総評
本作は上海国際映画祭にて発表された「原点回帰、至上の愛」というプロジェクトの元に制作されました。制作費用は一律1500万円。
日本の石井監督の他、台湾のツァイ・ミンリャン監督や、中国のヤン・ジン監督も作品を出品されました。
制作費もさることながら、その制作期間も凄く3日で脚本を書き上げ、2週間で全て撮り終えたとの事です。石井監督は仕事が早いですね!
本作は男女どちらに共感を得られるかといいますと、やはり男の支持率が高い作品になるのかなと感じました。
みどりが本作で一番刺さったセリフ、
「英語だとすんなり言えるんだよなぁ」
これ凄く解ります!
理由は単純で、母国語でないからなのです。
相手を思いやる事が先行して、肝心の言葉が出ない…。そんな愛する者同士の意思疎通の難しさを改めて問われる作品になっています。
そしてやはり仲野太賀がこの役で本当に良かった!
例の泣く演技もそうですが、実はみどりはもっと好きなシーンがありまして、それは終盤厚久がある人から玄関で衝撃の事実を教えられるあの横顔!
もう忘れられないワンシーンでした。
というわけで評価のほうは、、、
☆☆☆☆
すらっとこんな傑作を作れる監督さんがもっと台頭してくれますように!
石井裕也監督といえばコチラ ↓
亀梨すげーってなったのを覚えています。