フォード vs フェラーリ:原題(FORD v FERRARI)
2019年 アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド
なんという直球なタイトル。
いや、支配人みどりはこういう飾り気のないタイトルが大好きです。
最近のハリウッドって、メインタイトルの後に日本語でほにゃららってサブタイトルみたいのが付くじゃないですか。
それよりかはシンプルな方がいいと。それにこのタイトルだけで、もうどんなストーリーかほぼ解ってしまうほどのパワーを持っている感じがします。
半端ないプロモーションで、他の作品よりも遥かに公開前の露出が多かった本作。
絶対王者<フェラーリ>に無謀な挑戦をした男達
この売り文句を何度目にしたか解りませんが、本編はそこまでシンプルではありませんでしたよ。
あらすじ
自動車メーカーフォードのCEOであるヘンリー・フォード2世(トレイシー・レッツ)は焦っていた。
マーケット戦略の為、当時財政難に陥っていたフェラーリの買収計画が持ち上がる。
社内の重役達誰もがこの商談はスムーズに進むと思っていたが、結果はまさかの破断。
しかも翌日の朝刊に掲載されていたのは、フィアットがフェラーリを買収の記事。フォードは買収価格のダシにされていた事を知ったヘンリーは、マーケティング責任者のリー(ジョン・バーンサル)にレースでフェラーリを完膚なきまで叩きのめすよう指示する。
まず、白羽の矢が立ったのはかつてル・マン24時間耐久レースにて、米国人初の優勝を勝ち取ったキャロル・シェルビー(マット・デイモン)。その栄光は彼の持病である心臓病のせいで維持する事はできずレーサーとしては引退し、現在はカーデザイナーをしている。その彼がパートナーとして選んだのは凄腕のイギリス人ドライバーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)。自ら営む整備工場が国税局に差し押さえられ、生活が行き詰っていた彼に飛び込んできたキャロルの依頼。
キャロル「ル・マンでフェラーリに勝てる車を作りたいんだ」
マイルズ「それは200年?それとも300年先にか?」
キャロル「いや、90日でだ」
冗談かと笑い飛ばすマイルズ。ここから男達の無謀ともいえる挑戦が始まった!
キャスト
ケン・マイルズ:クリスチャン・ベイル
イギリス出身の敏腕ドライバー。小さな整備工場を営んでおり、家族と紅茶をこよなく愛する。性格はキレやすく、フォードの重役達からも煙たがられている。
キャロル・シェルビー:マット・デイモン
かつてレーサーとしての実績を残したが、心臓の不調により引退。現在はシェルビーアメリカンというスポーツカー製造会社を営んでいる。
リー・アイコッカ:ジョン・バーンサル
フォードのマーケティングを手掛ける切れ者。これからは若者にアピールする車を売り出す為、フェラーリ買収計画を進める。フォードの重役でもマイルズ、キャロル両名の一番の理解者。
レオ・ビーブ:ジョシュ・ルーカス
フォードの副社長。利益確保の為ならなんでもする経営馬鹿。情熱的で感情的なケンをチームから外そうとする。
見どころ
圧巻のレースシーン
今回みどりはIMAXで鑑賞しました。昔ファミコンをプレイしている時に体が動いた経験はありませんか?もうその連続!
コーナリングのシーンではカーブに向かって体が傾き、前方でクラッシュが起これば身を伏せていましたよ(笑)。
これなら初めから4DXで観ていればと思いました。むち打ち症や腰痛を患っている方はロキソニン必須です。
本当の敵は自陣にあり
サラリーマンの方にとっては誰もが経験するこの事案。本作の相手はフェラーリですが、企業内論争も注目です。いつの時代も悩んでいる事は一緒なのだと痛感します。
彼がみどり的ベストバイプレイヤー
ケン、シェルビー以外にも本当に魅力ある人物が登場しますが、一番良かったのがCEOであるヘンリー・フォード2世。ネタバレするので詳細は書きませんが、シェルビーがあることをヘンリーに直談判するシーンがありまして、ここが凄くイイ!
彼の名セリフを一言、
「ハンドルに刻まれた我が社のエンブレムは伊達じゃあない。行け!」
本編でご堪能ください。
まとめと総評
過酷なル・マンにて打倒フェラーリに燃える男達。大筋はこんなとこですが、それには数々の困難に立ち向かった記録があったのです。
車ファンの方は勿論、日本を代表する企業小説家、「半沢直樹」「下町ロケット」でお馴染みの池井戸潤作品がお好きな方は間違いなく楽しめる作品です。
また、時代が1960年代という事で、パンナムの旅客機や、コパトーンのサインボードなどレトロなアイテムもシーンを彩っています。
評価は、
☆☆☆☆☆
2020年初の満点出ました!
やっぱり車体デザインはフェラーリの方がかっこよかったなぁ…。