初恋
2020年 日本
監督:三池崇史
上映時間:115分
鑑賞日:2020/2/28
劇場:TOHOシネマズ海老名
ある作品の鑑賞前の予告編。隣に座っていた幸せそうな中年夫婦の奥様が、
「これ面白そうなのよねぇ」
と生前の朝丘雪路のように優雅に呟いておられて見事その言葉に感化。して急遽観るリストに加わった本作。
そんな本作の予告編はこちら↓
三池作品は久しぶりだなぁと。
どちらかというと好きな監督さんなのですが、個人的には当たり外れの差がもの凄い印象ですね。
「藁の楯」なんかは邦画ベストテンに必ず入る(みどり個人のです)ほどの傑作だと思いますが、「悪の教典」とかは全く響かなかったのですよ。
窪田正孝さんや、塩見三省さんといった好きな俳優陣も多数参加されていらっしゃるので、つまらなくはないだろうと。
とりあえずあらすじっす
あらすじ
天涯孤独のプロボクサー葛城レオ(窪田正孝)は病室で茫然としていた。
ある試合にて、負けるはずの無い相手のラッキーパンチを食らいKO負けを喫す。その後の検診で、レントゲンに映ったのは脳の腫瘍。
「どれくらいもつかは…。」
医師の余命宣言に現実を受け止められないレオは歌舞伎町の街を彷徨っていく…。
一方その頃、あるヤクザが汚職まみれの刑事と話をしていた。
ヤクザの名は加瀬(染谷翔太)で刑事は大伴(大森南朋)。
内容は加瀬が組の管理している大量の麻薬を奪い、大伴に捌かせるといった捨て身の計画。
算段は完璧のはずであった。
しかし、計画の初段階でわずかなズレが生じる。
計画に組み込まれていたモニカ(小西桜子)の想定外の暴走。
彼女とレオが邂逅した時、おのおのの人生の最高に濃密な一夜がはじまる!
主要キャスト
葛城レオ:窪田正孝
天才プロボクサー。格下相手の試合でまさかのKO負けをし、その後の検診で脳腫瘍が見つかり、余命宣告を受ける。大伴から逃げてきたモニカを助け、その後も彼女を放っておけず、行動を共にする。
モニカ:小西桜子
親の借金が元でシャブ漬けにされ、売春を強要されている。幻覚を見るようになり、計画遂行中の大伴から逃げていた途中でレオに助けを求める。
加瀬:染谷翔太
組織の中でうまく立ち回る策士。大伴と組んでブツの横流しを企む。
大伴:大森南朋
悪徳刑事。加瀬と組んでヤクザの資金源を強奪しようと画策するが、計画は失敗。
レオに警察手帳を奪われる。
見どころ
ベッキーのぶっちぎれの演技
彼女の演技を最後に観たのっていつだったか回想してみると、クドカンのドラマ「僕の魔法使い」でもう10年以上前でした。そのイメージしか無かったみどりにはなんとも刺激的でした。例のスキャンダルが元で表から遠ざかっていた彼女の演技は見事でしたよ!
こんな芝居できるんだと感心し、彼女の別の姿をみれました。
よく『体当たり演技』という言葉の裏には、ほぼヌードになるイメージに着地しそうですが、こういうカタチもあるのかと。文字通り彼女の体当たり演技を堪能できます!
まとめと総評
えーと、評価を先に申し上げますと、
☆
すみません、全然響かなかったです…。
本作を鑑賞後に真っ先に感じた事は、
「タランティーノ作品を敬愛する人が、少し間違ったカタチで仕上げてしまった1本」
クライマックスに突然アニメを差し込んでくるシーンなんかは、まさしくその表れ。
なんかタイミングも含めて雑に感じました。
それとラストの主戦場はあの大手ホームセンターのユニディ。
大森南朋演じる大伴が、
「ユニディってなんでもあるんだな」
というセリフにあるように、ユニディさんの協力の元に完成されたシークエンスになっています。
映画に必要以上なリアリティを求めるのはナンセンスと感じるみどりですが、これにはさすがに、
「ユニディってセコム入ってないの…?」
と思ってしまう始末。
それにラストの主人公達を乗せた車を、無数のパトカーが追いかける印象的なシーンも、織田裕二にブリッジ封鎖を頼めばいいぢゃん!と心でツッコんでしまいました。
ラストのラストにレオに纏わるどんでん返しも、滑り倒している芸人のネタを目の当たりにしている気持ちになりましてねぇ。
そんな感じでみどりにはタイトルにある“初恋”の意味が、本作にどのように絡んでくるかも理解できぬまま、劇場を後にしたのでした。
それでも巷の評価はのきなみ高評価なので、興味がある方は是非鑑賞してみて下さい。
あ、ベッキーは凄く良かったです。
みどりが一番好きな三池作品はこちら!
原作はあの「BE-BOP HIGHSCHOOL」のきうちかずひろさんだと知った時の衝撃は忘れないです↓