テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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なぜこんな事になったのか?それには理由があった!『ドクタースリープ』感想と見どころ

ドクタースリープ:原題(DOCTOR SLEEP)

2019年 アメリカ

監督:マイク・フラナガン

 

 

何でもいいのでスティーヴン・キング原作のホラーを1つ挙げよ、と問われれば皆さんは何を想像しますか?

「IT」や「ミスト」、古いとこですと「クリスティーン」や「キャリー」も出てきそうですが、「シャイニング」は外せないでしょう。

 

斧で切り裂かれた扉から、あの背筋も凍るジャック・ニコルソンの笑みは、脳裏にこびりつく衝撃を覚えたものです。

 

しかし、このスタンリー・キューブリック監督の「シャイニング」は原作者キングが大嫌いであった話はわりと有名。

キューブリックが色々原作をいじり倒してしまったのが原因だとか。

本来、「シャイニング」は特殊能力を持ったダニー中心のお話で、キングのお家芸ともいえる“スーパーナチュラル”の世界感だったのが、段々頭がおかしくなっていくジャック中心の物語に仕上がってしまったのが映画の「シャイニング」であったのです。

その他、細かいところですと、原作ではジャックはハンマーを持って家族を襲うのが、映画ではより殺傷能力の高い斧に変更されていたり、映画のクライマックスの庭園も迷路にしてしまったりとかね。

みどりはその物語の中心人物であるはずだったダニーなんて、三輪車でホテルを走り回っていたり、「レッドラーム!レッドラーム!」と焦点が合わない目で叫んでいることくらいしか思いだせませんもん。

でもね、支配人みどりはこの映画版の「シャイニング」が大好きなんですよ。

閉鎖された空間で巻き起こる狂気。果たして目の前の出来事は現実なのか幻覚なのか。あの明朝体で書かれた「シャイニング」というロゴまでも愛してやまない。

そして40年後のお話がこの「ドクタースリープ」。

しかしこの続編ですが、評判がすこぶる悪い。

 

“全く別の映画になった”

 

などの声が多数聞こえています。

とりあえずあらすじから紹介しましょう。

 

 

あらすじ

幼いころ「展望ホテル」で深い傷をおったダニー(ユアン・マクレガー)は孤独な人生を送っていた。父に殺されかけた記憶、ホテルの亡霊たちにつきまとわれ、その苦痛を酒で紛らわせている日々。

流れるようにニューハンプシャー州のフレイジャーにたどり着いたダニーは、地元の禁酒会に参加する。そこでホスピスとして働き始めたダニーは、末期患者を安らかに眠らせる為に、自分の特殊能力“シャイニング”を使い始める。そこの患者達は、ダニーの事を「ドクタースリープ」と呼んだ。

フレイジャーから30kmほど離れた場所に住む少女アブラ(カイリー・カラン)もシャイニングの能力を持っていた。遠く離れた場所でテレパシーで交信するアブラとダニー。そんなアブラはある野球少年の死を感じ取る。少年の命を奪ったのは「真実の絆」という組織のローズ・ザ・ハットという女性。この組織はシャイニングを持つ者を貪って不死の力を得ようとする恐ろしい団体であった。アブラはダニーに接触して、この組織との闘いに挑む。

ダニーの能力も最高潮に達しようとした時、彼らが選んだ主戦場はあの忌まわしい展望ホテルであった。

 

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パンフの表と裏はダニー。時間の流れを感じます。


 

キャスト

ダン・トランス(ダニー):ユアン・マクレガー

幼い頃の辛い記憶から逃れるためにアルコール依存症となる。シャイニングの持ち主。

 

アブラ・ストーン:カイリー・カラン

ダニー以上のシャイニングの持ち主。「真実の絆」の標的となる。

 

ローズ・ザ・ハット:レベッカ・ファーガソン

「真実の絆」のリーダー。シャイニングの持ち主を殺害して生気を奪っている。

 

デック・ハロラン:カール・ランブリー

展望ホテルの料理人。ジャックに殺害されたが、霊魂でダニーの前に現れては、彼を正しい道に導く。

 

 

 

見どころ

展望ホテルの登場シーン

このシーンは、前作「シャイニング」のファンなら無条件でスタンディングオベーション!

それはFOXの人気ドラマ「アメリカンホラーストーリーシーズン9」の神回『呪われた館へ再び』を彷彿します。やはり物語はこのホテルを抜きに語れないのですよ。

 

大人になったダニー

実の父に殺されそうになったダニー。その忌まわしい記憶は酒という逃げ場でしか解消できず、皮肉にもその父と同じアルコール依存症という道を歩んでいきます。

しかし本作で、その能力が末期患者に対して有益に作用すると知った彼に一寸の光が差し込みます。

 

 

まとめと総評

という訳で、本作はダニーとシャイニング中心のお話に仕上がったわけで、原作者のキングも大満足だったとか。これでお分かりだと思うのですが、前作と本作では一種の「ズレ」が生じているのですな。

監督の好きにアレンジされた「シャイニング」は原作者が気に入っていない。

故に、前作とは一世を風靡した続編は全く違うテイストに仕上がって、続編といっていいものか悩ましい作品になった訳です。

みどりは映画という土俵のみで評価したいので、

 

 

という結果をくだしました。

キューブリックが作った「ドクタースリープ」を観てみたかった!

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