テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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今まで認識していたジャック・マイヨールという人物は何者だったのか?『ドルフィン・マン ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ』感想と見どころ

ドルフィン・マン ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ

:原題(Dolphin Man. The Story of Jacques Mayol)

2019年 ギリシャ、フランス、日本、カナダ

監督:レフトリス・ハリートス

 

 

え~実は支配人みどりはスキューバーダイビングを長年たしなんでおりまして、それでもゴリゴリのリゾートダイバーなので経験本数は大したことないんですがね(汗)

もうガチ勢の方々みたいに、

 

「やっぱり冬の海の方が透明度良くていいよねぇ~」

 

とか言っているの聞くとすかさず、

 

「寒いのに寒中水泳みたいなこと出来るか~」

 

と苦言を唱えたくなるのですよ。

 

やっぱりリゾートで綺麗なビーチ、照り付ける野蛮な太陽を肌全体に浴びて、水着で走り回りながら海に飛び込みたい!

冬は海よりもユーミン聞きながらゲレンデに行きたい!

 

そんなダイビングライト勢のみどりでも本作で取り上げられている人物、ジャック・マイヨールという伝説のダイバーの事はよく知っていました。

まあみどりはダイバーであると同時に映画ファンでもありますので、初めて知ったのはリュック・ベッソン監督の名作「グラン・ブルー」(←タイトル大事!理由は後述)なんですがね。

多分、この映画でジャック・マイヨールの事知ったという方が大多数かと思いまして、巷ではこれらを<グラン・ブルー・ジェネラシオン>と総称するそうです。

 

 

あらすじ

ジャック・マイヨール 1927年4月1日上海生まれ。

13歳まで上海で過ごした後、一家は父の故郷であるマルセイユに戻る。

1948年、デンマーク人と結婚、長女と長男を授かる。

1957年、30歳のときにマイアミでイルカの調教師として働き始めたジャックは1頭のイルカと運命的な出会いをする。

その後、水族館を退職してバハマのタークス・カイコス諸島に移住。水族館での経験を生かし、素潜りによるロブスター漁を広める。

その後、周囲の勧めでフリーダイビングに没頭するようになり、1976年11月23日、人類史上初めて素潜りで100メートルを超える記録を達成。

彼の自伝をもとにした映画「グラン・ブルー」が公開され、世界中で大ヒットし知名度は伝説的なものとなった。しかし彼の人生は決して順風満帆ではなかった。

 

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パンフはロゴのデザインも含め、凄く日本的

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キャスト

ナレーション:ジャン=マルク・バール

「グラン・ブルー」でジャック・マイヨールを演じた俳優。

 

成田均

シークロップダイビングスクール経営。ジャックと30年に渡って交友関係を結んだ。

ジャックが提唱した『ホモ・デルフィナス』の理念を継承。

 

 

 

見どころ

イメージと全く違う人物像

映画「グラン・ブルー」はあくまでフィクション。

描かれていたジャックという人間は、それはナチュラリストで自然と調和してイルカと仲良し。どちらかというと優等生キャラで、ジャン・レノが演じたエンゾとは真逆の人物。

しかし実際は女をとっかえひっかえしていて、家族も顧みる事無く、自分の理想を無我夢中に追い求めていた奔放な男だったのです。

凄くロックな男だったのです。

この「グラン・ブルー」で彼自身を神格化したグラン・ブルー・ジェネラシオに容赦ない現実をぶち込んだ事は、本作の肝といっても過言ではないでしょう。

 

貴重なインタビューシーンが満載

生前の彼と深く関わりのあった多数の関係者達。その発せられる言葉を全て繋ぎ合わせてもジャックという人物がどういう性格であったのかが解ります。

親日家でもあったジャック・マイヨールは、ダイビングの為に伊豆のお寺で禅の修行をしていた時期もありました。

 

フリーダイバーのジェナ・アポコトスが美し過ぎ!

数々の関係者達のインタビューでギリシャのフリーダイバー、ジェナ・アポコトスという選手が出てくるのですが、彼女が美しい!

ウエット・スーツに着替えて海にダイブしていくシーンは、ドキュメンタリーである事を忘れさせる程見応えがあります。

 

 

まとめと総評

映画「グラン・ブルー」って凄く不思議な作品なんですよね。

日本では1988年「グレート・ブルー」という邦題で編集時間は120分の作品が初めに公開されました。しかしこちらプロモーションが上手くかみ合っていなかったせいもあり、なんと1週で打ち切り。

その翌年、フランスで「Le Grand Bleu-VERSION LONGUE」という168分の完全版が公開されこれが大ヒット。もう全く違う内容に仕上がっていたのです。

そして日本でも公開されるようになり、それは社会現象にまで発展。

みどりも色々な作品の完全版を観てきましたけど、ここまで大差がある作品を知りませんよ。

そうこうしてジャック・マイヨールというダイバーがどんどん知名度を上げてきて、オメガが『シーマスター ジャック・マイヨールモデル』なる腕時計も発売される事に。

でも彼の本当の姿、悩みをジェネラシオの渦中にいた人達はどのくらい理解していたか?

鑑賞中、そんな事を問われている感じがしました。

 

俺、ダイビングやっていまして! 尊敬する人はジャック・マイヨールです!!

 

この作品を観た後でも同じ事が言えるのであればあなたは本物!

という訳で評価は、

 

☆☆☆

 

是非とも「グラン・ブルー」とセットで観て欲しいです。

あなたが今まで崇めていた人物は『架空のジャック・マイヨール』かもしれません。

 

 

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