テアトルみどり座

映画の感想、見どころを気ままに紹介しています。

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同じ妄想を抱いてました『イエスタデイ』感想と見どころ

イエスタデイ:(原題)YESTERDAY

2019年 アメリカ・イギリス

監督:ダニー・ボイル

 

 

支配人みどりは学生時代バンドを組んでいました。

まあ所謂コピーバンドだったのですが、とても楽しく、様々な経験をしまして、一時期は本気でプロになろうと考えていたこともありましたね。

ちょうどそんな時分、頭をよぎったのは

 

「BOOWYの楽曲を自分しか知らなかったら、大成功できるのでは…。」

 

と、ちょうど今回ご紹介する「イエスタデイ」の設定そのまんまを夢想していたのです。この作品の告知を見た時、あの時の邪な考えが遂に映像化されると、一人で興奮したのは言うまでもありません。

 

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↑パンフレットは昔のドーナツ盤をイメージ

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あらすじ

 

ジャック(ヒメーシュ・パテル)はスーパーでバイトをしながら音楽活動をしていた。

しかし曲は全くといっていいほど売れず、自分の才能に限界を感じていた。

数学教師を本職にしている幼馴染みのエリー(リリー・ジェームズ)は、彼のマネージャー兼付き人兼運転手。

ある日彼女は、ラティチュードフェスという音楽フェスの出場権をもぎ取ってくる。大喜びのジャックはセットリスト等入念に準備したが、当日準備された最小のステージでは子供達が鬼ごっこをしていて、大人の観客は彼の友人達のみ。

「これを最後にしよう…」

帰りの車内でリリーにそう打ち明けるジャック。

車を降りて自転車に乗りかえて暫くすると、突如世界中で12秒間の停電が発生。そして公共バスにジャックははねられてしまった。

昏睡状態から目覚めて、仲間のお見舞いを受ける。

リリーからのプレゼントは真新しいギター。せっかくだから一曲弾いてとリクエストに応えたのは、ビートルズの名曲「イエスタデイ」だった。

「なんて素晴らしい曲なの…」

涙ぐむ友人にからかっているのかと思ったジャックだが、帰宅後、パソコンで『ビートルズ』と検索すると昆虫や車しかヒットしない。

どうやらこの世界はビートルズが存在しない、しかも数々の名曲を知っているのは自分だけの世の中になってしまったようだ。

 

 

キャスト

 

ジャック・マリク:ヒメーシュ・パテル

 

売れない音楽青年。中学時代、オアシスの「ワンダーウォール」を演奏したのをきっかけに、エリーにプロになれとアドバイスを受け今日に至る。

 

エリー・アップルトン:リリー・ジェームズ

 

ジャックの幼馴染み。彼の才能を信じ、献身的にサポートをする。その範囲は免許を持っていない彼の運転手もやっている。

 

エド・シーラン:本人

 

ジャックがテレビに出演した際に、彼が演奏したビートルズの曲を聴いてコンタクトを取る。真相を知らないエドは彼の天才的な才能を前に「彼はモーツアルトで僕はサリエリだ」と屈服する。

 

 

 

見どころ

 

ビートルズが存在しない世の中はこんなにも味気ないのか

 

ビートルズの名曲がぎっしり詰まった、ジャックのメジャー第一弾のアルバムの戦略会議のシーン。

ジャックは敬意を表してか、タイトルやジャケ写を「アイビーロード」「ホワイトアルバム」「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」にしようと提案するのですが、これをそれぞれ

「ただの道路と一般車が映っているだけ」

「白すぎる!」

「そのぉ、単語が多すぎるというか…」

と、ことごとく却下されるのには失笑しました。

ジョンゆかりの場所でもあるストロベリーフィールドも朽ち果てていましたしね。

偉大なアーティストが残した痕跡というのは素晴らしい楽曲だけではないのですなぁ。

「白すぎる!」って…。

 

これもバタフライエフェクト

 

蝶の羽ばたきで遠方の天候をも左右するという、有名なカオス理論が本作にも盛り込まれていまして、ビートルズが存在しない世界はオアシスもいない

有名なイギリスのロックバンドのオアシスは、ビートルズから多大な影響を受けたのは有名な話。あと、この世界はある有名なお話も存在しません。

 

ジャックとエリーの純真さに心打たれる

 

もう二人とも凄く「いい人」なのです。

予想以上に反響が大きくなったことに葛藤が生まれるジャック。

彼の「ワンダーウォール」を聴いたその日から心が動いていたエリー。

二人が手を繋いで深夜のトンネルの中で踊っているシーンは名シーンでした。

そしてエンディングでいいようのないハートフル感が、観るもの全ての心を温かくします。

 

 

まとめと総評

 

鑑賞前と後とでは作品のイメージが異なる本作。

とんでもない世界になってしまってどんな結末になるのかと思っていましたが、これまた意外な結末でした。

本編ではビートルズの名曲が常に聴けるので、ファンは見逃せない作品です。

そしてエド・シーランね。結構演技上手くて驚きです。考えてみれば彼のPVはストーリー性が強いのが多いので、演技も上手なのは至極自然な事かと。

評価は、

 

☆☆☆

 

自分だったらついでにオアシスの曲も世の中に出して、一儲けしようと考えてしまうのは心が汚れている証拠でしょうな。

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